数学B / 漸化式と数学的帰納法
和と項の関係から比の畳み込みへ
問題
数列 は で、初項から第 項までの和 が
を満たす。一般項 を求めよ。
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和の条件はまず で項だけの式に。出てきた漸化式は等差型でも等比型でもない — 隣どうしの「比」が の式になる形だ。比を から順に掛け合わせると何が起きるか。
解答・解説
方針
S_n の関係式は S_n−S_{n−1}=a_n で漸化式に落とすのが定石。整理すると (n−1)a_n=(n+1)a_{n−1} という「比の形」の漸化式になり、a_n/a_{n−1}=(n+1)/(n−1) を掛け連ねる(畳み込む)と間が約分されて一般項が出る。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 と の混ざった条件は、()で を消すのが第一手だ。
整理すると、係数に の入った漸化式 が現れる。定数係数でないから特性方程式は使えない。
だが比の形 に直せば、 から順に掛け連ねて(畳み込んで)間が約分される。階差の「足し込み」の、掛け算版だ。
① 漸化式に落とす。 で
② 比を畳み込む。 (帰納的に正)として
で掛け連ねると
(分子の が分母と約分され、分子の末尾2つ と分母の先頭2つ だけが残る。)
③ 一般項と検算。 より
( でも で成立。)検算: ✓ たしかに条件を満たす。
まとめ: 「 を消す → 比の形 → 掛けて畳む」。係数に が入る漸化式では、差(階差)で畳むか比で畳むかの2択がまず頭に浮かぶべきで、両端に何が生き残るかを丁寧に数えるのが畳み込みの作法だ。
発展 — 一歩先へ。 漸化式 の両辺を 側で見ると、 — つまり が保存量(どの でも同じ値 )になっている。畳み込みで求めた一般項の正体は、この保存量の発見と同じこと。「掛けて畳む」漸化式は、しばしば「何かで割ると一定」の形に言い換えられる。
別解
値を並べて予想し、帰納法で確定する(手を動かすルート)。 関係式から前へ前へと計算できる。 を について解くと
から順に: 、、。
— 三角数だ。そこで と予想し、帰納法で確定する: が で正しければ で、
予想がそのまま再生産され、帰納が閉じる。
比の畳み込み(本解)は一般項を「導出」し、予想+帰納法は「言い当てて検証」する。どちらも答案として完全だが、値を数個計算して形を見る癖は、初手が見えないときの命綱になる。
ポイント
- で 。
- 比 を掛け連ねて 。
- 検算: ✓。
よくある間違い
- を にも使う( は存在しない。 で使い、 は初項で別に確認)。
- 畳み込みの生き残りを数え違える。分母に残るのは先頭の 、分子に残るのは末尾の 。
- の断りなしに比をとる(全項正が帰納的に言えることを一言)。