数学B / 漸化式と数学的帰納法
数学的帰納法(不等式)
問題
を満たすすべての自然数 について、 が成り立つことを数学的帰納法で証明せよ。
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段目では、仮定の両辺を 倍するところから。出てきた式と目標の式のあいだのすき間を、 の範囲を使って埋められるか。
解答・解説
方針
不等式の帰納法は出発点が 。(I) で確認。(II) ()を仮定し、 に仮定を使う。 の条件も利用して を超えることを示す。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 不等式の帰納法で、まず確かめるのは出発点。 では が偽、 でも が偽 — 主張は から。だから (I) は ()で確認する。
(II) では と分解して仮定 を使う。
あとは 、つまり を言えばよい。ここで という前提条件が効く。不等式の帰納法は「仮定でジャンプ → 残りの差は の範囲で埋める」の二段跳びだ。
(I) のとき。 左辺 、右辺 。 で成り立つ。
(II) ()を仮定する。 とする。 を調べる。
(ここで仮定 を使った。)あとは が より大きいことを示せばよい。
よって 。したがって
となり、 でも成り立つ。
結論。 (I)(II) より、 のすべての自然数で 。
まとめ:不等式の帰納法は「 に仮定を使って評価を下げ、さらに条件で押し切る」。等号でつなぐ等式とちがい、不等号を 段()つなぐのがコツだ。
発展 — 一歩先へ。 と の勝負は、指数と 次式の勝負 — 出だしこそ競るが、指数は倍々で伸びるので必ず突き放す。実は ()、(十分大きな )— 指数はどんな多項式にも最終的に勝つ。この事実は数IIIの極限()で定理として整備される。
「小さい で反例、大きい で成立」という主張の証明には、出発点つき帰納法がぴったりはまる。出発点を探す作業( を実際に試す)自体が、問題の構造の理解になっている。
n=3 で成立、n=k(≧3) を仮定して n=k+1 でも成立
別解
帰納法を使わず、 を二項定理で下から見積もる直接証明もできる。
を展開すると、 では最初の 項だけでも
これが を超える条件を整理すると
なら両因数が正で成立。証明終わり。
境界の様子も因数分解が教えてくれる。 では — ちょうど等号()になる瞬間で、主張が から始まる理由が式に現れている。指数の不等式は「二項展開の頭数項で押さえる」— 帰納法と並ぶ、もうひとつの標準武器だ。
ポイント
- 出発点は 。 に仮定を使う。
- と不等号を 段つなぐ。
よくある間違い
- 出発点を にしてしまう( では不成立。仮定にも を添える)
- (II)で を示す途中、 の根拠(、実際は で十分)を書かない
- 不等号の連鎖で等号の有無( と )を混ぜて書き、最終の が保証されない