数学B / 漸化式と数学的帰納法

隣接する項の比の極限(黄金比)

実戦編漸化式極限黄金比単元横断

問題

フィボナッチ数列 について、比 の極限 を求めよ(極限の存在は認めてよい)。

ヒントを見る

の両辺を で割ると 。極限

解答・解説

方針

漸化式を で割って比 の漸化式 を作る。極限 を代入して方程式を解く。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 自身の漸化式を作りたい。 の両辺を で割ると、 が得られる。

比だけの漸化式が立った。極限 が存在すれば、両辺で として

これを整理すると 。正の解が黄金比 だ。

① 比の漸化式。 の両辺を ()で割ると ② 極限の方程式。 とすると、 として ③ 正の解。 の解は だから 、よって

r₁r₂r₃r₄φ
フィボナッチ数列の比 F_{n+1}/F_n=1, 2, 3/2, 5/3, … は黄金比 φ≈1.618 に近づく

まとめ 比の漸化式 の不動点が極限。 を解いて黄金比 。フィボナッチ数の隣接比は黄金比に近づく。漸化式と極限の融合。

発展 — 一歩先へ。 黄金比 は、無限連分数がすべて という「最も単純な」形をもつ。この単純さゆえに は有理数で最も近似しにくい無理数(最も無理数らしい数)とされ、ヒマワリの種の配置や葉序が に関係する黄金角 を選ぶ理由にもなっている。

を満たす。極限 、すなわち の正の解 (黄金比)。

別解

別解 — 無限連分数として読む(得意な人向けの高い視点)。 漸化式 を、代入し続けてみる。

だけが並ぶ無限連分数だ。この値 は自分自身を含む方程式 、すなわち を満たし、正の解

しかも を上と下から交互にはさみながら近づく()。連分数を途中で打ち切った近似値がフィボナッチ比 そのものだから、比の収束と連分数は同じ現象を見ている。

ポイント

  • で割ると比の漸化式
  • 極限は不動点 、すなわち
  • 正の解 (黄金比)。

よくある間違い

  • 極限の存在(問題文が認めている)を無視して、 を立てる前に手が止まる。
  • の負の解 を答えに含める(比 なので正の解のみ)。
  • 漸化式を作るとき でなく で割り、 の式にまとまらない。