数学B / 統計的な推測
独立な確率変数の和の分散
問題
独立な確率変数 、 について 、 のとき、 と標準偏差 を求めよ。
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独立なら分散は足せる。ただし標準偏差は足せない — 分散を足してから最後にルートをとる、という順番を守ろう。
解答・解説
方針
、 が独立なら、分散は足せる()。標準偏差は分散の平方根。標準偏差そのものは足せない点に注意。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 使う道具は つ — 独立なら分散は足せる。
標準偏差はその平方根で 。
注意すべきは順序だ。足せるのは分散であって、標準偏差ではない。 と は別物 — 「分散の世界で足してから、最後に平方根」の一方通行を守る。
① 分散を足す。 独立なので
② 標準偏差を求める。
まとめ:分散の加法性 は独立のときだけ(期待値の加法性はいつでも、と対照的)。そして標準偏差は足せない:。分散で足してから最後にルートをとる。
発展 — 一歩先へ。 差にしても分散は足し算になる: 。 の分散は のままだからだ。「引き算してもばらつきは打ち消し合わない」— 測定値の差をとるとき誤差はむしろ増える、という実験の常識がここにある。
独立でない場合は と共分散の補正が付く(大学レベル)。三平方の絵で言えば、直角でない三角形の余弦定理にあたる — 独立(直交)は、その特別にきれいな場合である。
、
別解
「分散は足せて標準偏差は足せない」を、三平方の定理の絵で覚える方法がある。
のばらつき と のばらつき を、直交する 辺のベクトルだと思う。独立な つのゆらぎは互いに無関係な方向を向いているから、合成したゆらぎは斜辺 — 長さは
まさに直角三角形の斜辺の公式()だ。
斜辺は 辺の和より必ず短い()— 標準偏差を単純に足すと過大評価になる理由が、三角形の絵から一目で分かる。独立なゆらぎは同時に最悪方向へ揃わないので、合成は「和」より穏やかになるのだ。
「独立 直交、合成 斜辺」。このイメージは、統計だけでなく測定誤差の合成(物理・工学)でもそのまま使われている。
ポイント
- 独立なら 。
- 標準偏差は足せない。分散で足してからルート。
よくある間違い
- 標準偏差を直接足して とする(足せるのは分散)
- 独立の条件を確認せず分散の加法を使う(独立でなければ共分散の項が要る)
- を など積で合成する