数学B / 統計的な推測

分散の計算

★★ 標準分散

問題

確率変数 は値 をとり、 である。期待値が のとき、分散 を求めよ。

ヒントを見る

乗の平均から平均の 乗を引く』形で。 は『値の 乗 × 確率』の合計 — 乗を忘れて計算しがちなので注意。

解答・解説

方針

。まず を求め、 を引く。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 分散の計算は、定義どおり を集めるより、計算式

が速いことが多い。 のような分数だと、 の計算が毎回分数になるからだ。

は「値の 確率」の和。 はもう手元にあるから、あとは 乗して引くだけ。「 乗の平均 平均の 乗」と唱えて覚える。

公式

を求める。

② 分散を計算する。

123平均
平均 7/3 のまわりの散らばり。V=5/9

まとめ:分散は は「値の 乗 × 確率」の和。 の通分をていねいに()。

発展 — 一歩先へ。 つの式が常に一致する理由は、定義式を展開すると分かる。 — 真ん中の項で 、最後で が効いて、 に潰れる。データの分析(数I)で学んだ分散の変形と同じ計算だ。

から、副産物として が常に成り立つことも読める。「 乗の平均は、平均の 乗より小さくならない」— 統計と不等式をつなぐ、小さいが深い事実である。

別解

定義式 でも計算して、突き合わせてみよう。分散の意味( からのずれの 乗の平均)が計算の形のまま見える。

からの各値のずれは

計算式ルートと一致した。

見どころは重みの効き方だ。いちばん遠い値 (ずれ )は確率が軽く、いちばん重い値 はずれが小さい — だから分散は とかなり小さい。定義式は手間がかかるぶん、「どの値がどれだけ散らばりに寄与しているか」まで教えてくれる。検算を兼ねて一度は両方で計算しておくと、公式の信頼感が変わる。

ポイント

  • 通分をていねいに。

よくある間違い

  • と混同する( 乗してから平均と、平均してから 乗は別物)
  • の計算で確率を掛け忘れ とする
  • 引き算 の通分()を誤る