数学B / 統計的な推測

確率分布の決定と期待値

★★ 標準期待値確率分布

問題

確率変数 が値 をとり、 に比例する。すなわち である。定数 と期待値 を求めよ。

ヒントを見る

確率のすべての和は必ず — これが を決める方程式になる。 が決まれば、期待値は定義どおりの計算。

解答・解説

方針

確率の合計は必ず から を決める。そのうえで を計算する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 未知の を決める手がかりは、確率の大原則ただひとつ — 全部足すと

分布が確定したら、期待値は「値 確率」の総和。

「まず合計 で分布を確定、それから 」— 分布決定型の手順はいつもこの順である。

公式確率の総和は :。期待値

を決める。 確率の合計が

② 期待値を計算する。

123平均
P(X=k)=k/6 の分布。総和=1 で a を決める。E(X)=7/3

まとめ:確率分布の未知数は「総和 」でまず決める。これは確率の絶対のルール。 が決まれば、あとは期待値の公式に入れるだけだ。

発展 — 一歩先へ。 が、真ん中の値 より大きい点に注目したい。大きい値ほど確率が重い(枚数が多い)分布だから、平均は重い側へ引っ張られる — 期待値は「分布の重心」だ。てんびんに 枚のカードを乗せたときの釣り合いの位置、と思うと直感に残る。

に比例」する分布は、一般の から なら ( の公式!)で決まる。確率分布の正規化に数列の和が顔を出す — 単元をまたぐ小さな橋である。

別解

確率 を、 枚のカードに置き換えると素朴に見える。

」のカードを 枚、「」を 枚、「」を 枚 — 計 枚から 枚引くくじだと思えば、この分布と完全に同じだ。

期待値は 枚の値のただの平均になる。

「値 確率の和」という公式は、「枚数分だけ書き並べて平均をとる」ことの縮記法にすぎない — 分子の は、カードを種類ごとにまとめて数えた姿だ。

期待値の計算で手が止まったら、確率を枚数に戻して平均をとる。この翻訳はどの分布でも使える。

ポイント

  • 確率の総和 で未知数を決める。

よくある間違い

  • 合計 の条件を使わず が決められず止まる(確率分布の唯一の拘束条件)
  • 期待値を値の単純平均 とする(確率の重みを掛ける)
  • を約分しきらない・仮分数を帯分数に直すなど答えの形を崩す