数学B / 統計的な推測

二項分布の最も確率の高い値

実戦編統計的な推測二項分布確率の比最頻値単元横断

問題

が二項分布 に従うとき、 が最大となる を求めよ。

ヒントを見る

。これが を超える の範囲は?

解答・解説

方針

隣り合う確率の比 を計算し、それが を超えるか下回るかで確率が増えるか減るかを判定する。比が をまたぐ が最頻値。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 どの が最大か。1つずつ計算するより、隣どうしの比を見るのが速い。

を作ると、二項係数と が約分され、 という簡単な式になる。

この比が より大きい間は確率が増え、 を下回ると減る。比が をまたぐ が、確率の山の頂上=最頻値だ。

重要。比 で増加、 で減少

① 確率の比。 より ② 増減の判定。 この比が より大

  • :比 なので (増加)。
  • :比 なので減少。

③ 最頻値。 増加から減少に変わる直前、 で最大。

012345678910最大
B(10,1/3) の分布。最も確率が高いのは k=3

まとめ 確率の比 をまたぐのが 、直前の 最大。二項分布(最頻値)と確率の比の融合。全部計算せず比で判定。

発展 — 一歩先へ。 がちょうど整数のときは、最頻値が2つ並ぶ(隣り合う が同じ確率)。たとえば では が整数で、 が同率で最頻。連続な正規分布なら頂上は1点だが、とびとびの二項分布では「頂上が平ら」になることがある — 離散ならではの現象だ。

。これが より大 で増加、 で減少。最大は

別解

別解 — 公式 で当てる(得意な人向けの時短ルート)。 二項分布の最頻値には、隣接比の議論をまとめた公式がある。比 を解くと 。だから確率は まで増えて、そこが山の頂上だ。

本問は

最頻値は 。平均 のすぐ近くにあり、直感とも合う。

隣接比を毎回書く(本解)代わりに を1回計算するだけ。ただし がちょうど整数のときは、その値と1つ手前が同率で並ぶ(頂上が2つ)ことに注意する。

ポイント

  • 隣の確率の比で増減を判定。
  • 最大。

よくある間違い

  • 確率をいくつか計算しただけで、比の議論なしに「だいたいこのへん」で最頻値を決める。
  • 隣接比 を落とす。
  • 比が をまたぐ の扱いを誤る(比 の最後の が最頻値。 なので )。