数学B / 統計的な推測
分散の非負性(E(X²)≥(E(X))²)
問題
確率変数 について、 が成り立つことを示し、これを用いて が常に成り立つことを示せ。
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、。展開して期待値の線形性 を使う。 なので期待値も 。
解答・解説
方針
分散の定義 を期待値の線形性で展開して を導く。 より期待値も非負。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 示したい2つは同じ根から出る。まず分散の定義 ()を展開する。
の期待値を、線形性で1項ずつとる。 を使うと にまとまる。これが第1の主張だ。
第2の主張はおまけで出る。 だから、その期待値 も 以上。すなわち 。
重要期待値の線形性 。非負の確率変数の期待値は非負
① 定義を展開。 とすると を代入すると ② 非負性。 は常に成り立つ確率変数だから、その期待値も ③ 結論。 、すなわち
まとめ 定義 を展開して 、これは 乗の期待値で 。ゆえに 。分散(定義)と不等式の融合。
発展 — 一歩先へ。 はイェンゼンの不等式(下に凸な関数 で )の の場合だ。凸関数なら平均を先にとるより関数を先に通す方が大きい、という一般則で、対数(上に凸)を使えば相加相乗平均の不等式が出る。分散の非負性は、この深い不等式の入り口である。
答
()を展開し、期待値の線形性で 。( 乗の期待値)だから 。
別解
別解 — 2次関数の最小値として読む(苦手な人にも見通しのよいルート)。 定数 を動かして、 という量を考える。展開すると
これは の下に凸な2次関数で、 の期待値だから が常に成り立つ。
2次関数の最小値は頂点 でとり、その値が 。「常に 以上な2次関数の最小値」だから 、すなわち 。
「 に最も近い定数は平均 で、そのときの平均二乗誤差が分散」という見方だ。 の判別式条件からも が出て、これはコーシー・シュワルツの不等式の特別な場合になっている。
ポイント
- を線形性で展開。
- 。
- より 、。
よくある間違い
- のように を1乗と誤る。
- の展開で の期待値 を計算し忘れる。
- の等号成立( が定数、)に触れない。