数学B / 統計的な推測
推定に必要な標本の大きさ
問題
ある母比率を、信頼度 で誤差 以下で推定したい。母比率がまったく見当がつかないとき、必要な標本の大きさ は少なくともいくらか。ただし を用いる。
ヒントを見る
誤差は 。 が不明なら、 が最大になる場合( で )で見積もる。これが 以下になる 。
解答・解説
方針
誤差(信頼区間の幅の半分)は 。 が不明なので最悪の場合 (最大)を使い、 を解く。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 誤差は 。だが肝心の が分からない。
そこで「最悪の場合(誤差がいちばん大きくなる場合)」で見積もる。 は のとき最大 。
この最大値を使えば、どんな でも実際の誤差はこれ以下になる。だから安全に条件を満たせる。
あとは を について解いて、下限を求める。
① 最悪評価の不等式。 誤差 、 より
② について解く。 だから
よって 。
③ 最小の 。 は整数だから、 以上の最小の整数 。
まとめ:必要な標本数は「 不明なら で最悪評価」。 を解くと 、。切り上げて 。 を使えば、どんな でも誤差が条件を満たす。
発展 — 一歩先へ。 誤差は に比例するので、精度を上げるのは割高だ。誤差を半分の にしたいなら、 は 倍の約 必要になる。
世論調査でよく 人前後を集めるのも、この式の裏返し。 なら最悪でも誤差はおよそ に収まる。「 万人調べても誤差は 程度までしか下がらない」ため、費用対効果で 前後が選ばれる。
もし事前に の見当がつくなら( など)、 は より小さくてよく、必要な標本は減る。最悪評価はあくまで「見当がつかないとき」の安全策だ。
別解
別解 — 一般公式にまとめてから代入する(得意な人向けの視点)。 数値を先に入れず、文字のまま解いておくと見通しがよい。
誤差 を について解くと
不明なら を使い、。ここに 、 を入れると
切り上げて 。本解と同じ。この一般式なら、もし事前に と分かっていれば を使い、 と、より小さい標本で済むこともすぐ計算できる。
ポイント
- で最悪評価、。
- 、 → 。
よくある間違い
- の最大 を使わず、 を勝手に決めてしまう。
- を切り捨てて とする(条件を満たすには切り上げて )。
- 不等式を解くとき の外し方を誤り、 を 乗し忘れる。