数学B / 統計的な推測

推定に必要な標本の大きさ

★★★★ 難関母比率の推定標本数最悪評価

問題

ある母比率を、信頼度 で誤差 以下で推定したい。母比率がまったく見当がつかないとき、必要な標本の大きさ は少なくともいくらか。ただし を用いる。

ヒントを見る

誤差は が不明なら、 が最大になる場合()で見積もる。これが 以下になる

解答・解説

方針

誤差(信頼区間の幅の半分)は が不明なので最悪の場合 (最大)を使い、 を解く。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 誤差は 。だが肝心の が分からない。

そこで「最悪の場合(誤差がいちばん大きくなる場合)」で見積もる。 のとき最大

この最大値を使えば、どんな でも実際の誤差はこれ以下になる。だから安全に条件を満たせる。

あとは について解いて、下限を求める。

重要 が不明なときは ( で最大)を使い、必要な標本数を最悪評価する

① 最悪評価の不等式。 誤差 より

について解く。 だから

よって

③ 最小の は整数だから、 以上の最小の整数

まとめ:必要な標本数は「 不明なら で最悪評価」。 を解くと 。切り上げて を使えば、どんな でも誤差が条件を満たす。

発展 — 一歩先へ。 誤差は に比例するので、精度を上げるのは割高だ。誤差を半分の にしたいなら、 倍の約 必要になる。

世論調査でよく 人前後を集めるのも、この式の裏返し。 なら最悪でも誤差はおよそ に収まる。「 万人調べても誤差は 程度までしか下がらない」ため、費用対効果で 前後が選ばれる。

もし事前に の見当がつくなら( など)、 より小さくてよく、必要な標本は減る。最悪評価はあくまで「見当がつかないとき」の安全策だ。

別解

別解 — 一般公式にまとめてから代入する(得意な人向けの視点)。 数値を先に入れず、文字のまま解いておくと見通しがよい。

誤差 について解くと

不明なら を使い、。ここに を入れると

切り上げて 。本解と同じ。この一般式なら、もし事前に と分かっていれば を使い、 と、より小さい標本で済むこともすぐ計算できる。

ポイント

  • で最悪評価、

よくある間違い

  • の最大 を使わず、 を勝手に決めてしまう。
  • を切り捨てて とする(条件を満たすには切り上げて )。
  • 不等式を解くとき の外し方を誤り、 乗し忘れる。