数学B / 統計的な推測

標本平均の分布と確率

★★★★ 難関標本平均正規分布標準化

問題

母平均 、母標準偏差 の正規分布に従う母集団から、大きさ の標本を無作為に抽出する。標本平均 の平均と標準偏差を求め、 を求めよ。ただし、標準正規分布で とする。

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標本平均の標準偏差は母標準偏差を で割ったもの。 を標準化()して、正規分布表で確率を読む。

解答・解説

方針

標本平均 に従う。平均 、標準偏差 を標準化して確率を求める。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 標本平均 も確率変数で、母集団が正規分布なら に従う。

平均は母平均のまま 。標準偏差は母標準偏差を で割って小さくなる()。標本をまとめると平均は安定するからだ。

確率は を標準化して に直す。

そのうえで、正規分布表を使って右すその面積を読む、と見通す。

公式標本平均 に従う。標準化

の平均と標準偏差。 平均は 。標準偏差は

② 標準化する。

のとき

xyO2
標準化した X̄。Z≧2 の右すそが P(X̄≧64)=0.5−0.4772=0.0228

③ 確率を求める。 。右すそだから

まとめ:標本平均は「平均は母平均のまま、標準偏差は 」で が大きいほど散らばりが小さい。確率は標準化 して表で読む。 は右すそ

発展 — 一歩先へ。 じつは母集団が正規分布でなくても、標本平均は が大きければ近似的に正規分布になる。これが中心極限定理だ。

キモは標準偏差 (標準誤差)。 を大きくすると で割るぶんだけ散らばりが縮む。

ただし なので効きは鈍い。精度を 倍にする(標準誤差を半分にする)には、標本を 倍にする必要がある。「たくさん集めれば精度は上がるが、費用は割に合わなくなっていく」という統計の基本的なトレードオフだ。

の平均 、標準偏差

別解

別解 — 標本の大きさで確率がどう変わるかを見る(得意な人向けの視点)。 なぜ 以上が「珍しい」となるのか。標本の大きさを変えて比べると腑に落ちる。

では標準偏差 は平均 から 離れ、標準偏差 個ぶん。だから 、確率

もし標本が しかなければ、標準偏差は 。同じ でも にしかならず、ずっと「ありふれた」値になる。

同じ「 以上」でも、標本が大きいほど平均から見て極端な値になる。標準化する本解と結論は同じで、 で散らばりが縮む効果が数字で見える。

ポイント

  • は平均 、標準偏差

よくある間違い

  • 標本平均の標準偏差を母標準偏差 のまま使い、 で割るのを忘れる。
  • 右すそ とする(表の値は から までの面積で、 から引く)。
  • 標準化で でなく で割り、 としてしまう。