数学B / 統計的な推測

二項分布の期待値・分散からn,pを求める

★★★★ 難関二項分布逆問題

問題

確率変数 が二項分布 に従い、 である。 の値を求めよ。

ヒントを見る

二項分布の期待値 と分散 。この つの比をとると が出る。 が分かれば から

解答・解説

方針

二項分布では から が出て、 から が決まる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 二項分布 では期待値が 、分散が

未知は つ、与えられた条件も つ()。数はそろっている。

ここで無理に連立するより、分散を期待値で割るのがうまい。 となって、 が単独で出る。

が分かれば から が決まる。比をとって未知を つずつ剥がすのがコツ。

公式二項分布 :

① 比をとって

よって

を求める。 より

よって

(検算:。)

まとめ:二項分布の逆問題は「 の比 」で を先に出す。あとは から つの式の比をとると片方の未知が消える、という定石。

発展 — 一歩先へ。 は必ず より小さい。だから二項分布ではいつも分散が期待値より小さい()。

これは二項分布の指紋のようなもの。たとえばポアソン分布では 、負の二項分布では になる。分散と期待値の比を見るだけで、どんな型の分布かをある程度見分けられる。

現実のデータで「ばらつきが期待値より大きい(過分散)」なら、単純な二項では説明しきれない、という診断にも使える考え方だ。

別解

別解 — 差 から を出す(得意な人向けの視点)。 比のかわりに引き算でも が取り出せる。

。つまり

数値を入れると だから

あとは から

で出す本解と同じ。 という関係は、 を共通因数にくくり出す発想で、 式から を消さずに直接引き出せるのが小気味よい。

ポイント

よくある間違い

  • 分散を と誤る(正しくは )。
  • をそのまま と取り違え、 としてしまう。
  • の割り算を誤り、 などとする。