数学B / 統計的な推測

確率分布から期待値・分散・変換

★★★★ 難関確率変数期待値分散変換

問題

確率変数 の確率分布が次の表で与えられている。

確率

を求め、さらに の分散 を求めよ。

ヒントを見る

は「 乗の期待値 期待値の 乗」。 次式変換 の分散は係数の 乗倍。

解答・解説

方針

を計算し、 の分散は より

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 まず期待値と分散を、表から素直に計算する。

期待値 は「値 × 確率」の総和。分散 は「 乗の期待値 期待値の 乗」で出すのが速い。

だから を表から求め、 とする。

最後の 次式変換。分散は定数 には影響されず、係数 乗倍になる、と見通す。

公式

① 期待値。

乗の期待値と分散。

③ 変換後の分散。 より

1234平均
確率分布(0.1,0.2,0.3,0.4)。E(X)=3, V(X)=1

まとめ:分散は「 乗の期待値 期待値の 乗」で計算するのが速い。 次式変換 では、定数 は散らばりに無関係で、分散は 倍()。標準偏差なら 倍。

発展 — 一歩先へ。 つの部分には、それぞれ意味がある。定数 を足すのは分布を横にずらすだけで、散らばりは変わらないから は消える。

係数 を掛けると、各データの平均からのずれも 倍になる。分散はそのずれの 乗の平均だから、 倍になる。標準偏差なら 倍だ。

この考えを突き詰めると、 という標準化にたどり着く。平均を引いて標準偏差で割ると、平均 ・分散 にそろう。どんな分布も同じ物差しで比べられるようになる。

別解

別解 — 分散の定義式で計算する(意味から確かめるルート)。 分散は本来「平均からのずれの 乗の平均」。定義そのままでも同じ値が出る。

平均は 。各値の「 からのずれ」を 乗して、確率で重みづけする。

計算すると

乗の期待値 期待値の 乗」で出す本解と同じ 。定義式は計算がやや長いが、「分散 散らばりの平均」という意味がそのまま見えるのが利点。平均 のちょうど真ん中の値 ではずれが 、両端でずれが大きい、という重みも読み取れる。

ポイント

よくある間違い

  • とし、引くのを期待値の 乗でなく 乗にする。
  • とし、係数の 乗倍・定数無関係を誤る。
  • と混同する(各値を 乗してから確率を掛ける)。