数学B / 統計的な推測

独立な確率変数の和(さいころ)

★★★ 応用期待値分散独立

問題

個のさいころを同時に投げ、出た目の和を とする。 の期待値 と分散 を求めよ。

ヒントを見る

まず 個のさいころの目の期待値と分散を出す。 個の和については、期待値と分散それぞれの加法性(分散は独立が条件)で組み立てる。

解答・解説

方針

個のさいころの目 について を先に求める。 個の目 は独立なので、 の期待値は和、分散も和(独立だから)。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 個のさいころの和 を、いきなり 通り数えにいかない。

まず 個の目 の期待値と分散を求める。部品を先に調べるのだ。

個の目は独立だから、 の期待値も分散も、部品の和になる。

「和の期待値・分散は、独立なら部品の和」。この分解の発想が主題だ。

公式独立なら

個の目の期待値。

個の目の分散。

個の和にする。 個は独立。

23456789101112平均
2個のさいころの和 S の分布(三角形)。E(S)=7

まとめ:さいころの和は「 個ぶんを求めて独立性で足す」。期待値は和、分散も和(独立だから)。 であって ではない( とは違う。 は別々の変数の和)ことに注意。

発展 — 一歩先へ。 「独立なら分散も足せる」の裏には、共分散という量が隠れている。

一般には が成り立つ。 つの変数が連動する度合いを測る。

個のさいころは互いに影響しないので 。だから余分な項が消え、分散がそのまま足せた。

もし片方の目がもう片方に影響するなら となり、和の散らばりは単純な足し算からずれる。独立という条件が効いているわけだ。

別解

別解 — 和の分布を直接作って計算する(苦手な人向けの直接ルート)。 独立性を使わず、 の分布そのものからも が出せる。

個の目の出方は全部で 通り。和 になる場合の数は、順に (合計 )。この左右対称な三角形の分布から計算する。

期待値は左右対称の中心だから 。分散は「 乗の期待値 期待値の 乗」で求める。

よって

部品に分けて独立性で足す本解と同じ 。分布を直接使うと計算は増えるが、独立性の公式を思い出せなくても答えにたどり着ける。

ポイント

  • 独立な和は も足せる。
  • (別々の和)と (同じものの 倍)は分散が違う。

よくある間違い

  • 和の分散を と考え、 と取り違える。
  • 期待値は足せるが分散は足せないと思い込み、 個の目の分散のままにする。
  • 個の目の分散を のように、引くほうを 乗にして計算を誤る。