数学B / 数列

分数を並べた群数列

最難関編群数列規則の式化

問題

次のように分数を並べる(約分はしない)。

群には、分子と分母の和が である分数が、分子の小さい順に 個並ぶ。

(1) は第何項か。

(2) 第100項を求めよ。

ヒントを見る

通し番号と中身を直接結ぼうとせず、あいだに「群の番号」をはさむ。この列の分数を見て、群の番号と分子・分母を結ぶ式を先に書き切れるか — 分子と分母の和に注目すると。

解答・解説

方針

群数列の2方向の橋渡し: (1)は中身→群の番号→通し番号、(2)は通し番号→群の番号→中身。どちらも「第 g 群までの項数 」が橋になる。中身と位置の規則(第 g 群の k 番目は分子 k・分母 g+1−k)を先に式で書き切る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 群数列の問いは、必ず「通し番号 ⇄ 群の番号 ⇄ 中身」の2段の橋渡しになる。橋は 群までの項数 だ。

本問は中身が分数だが、規則を式にすると「第 群の 番目=分子 、分母 (和が )」。

これさえ書き切れば、(1)は中身から通し番号へ、(2)は通し番号から中身へ。橋を逆向きに渡るだけになる。

公式 群までの項数は 。本問の規則: 第 群の 番目は分子 ・分母

① (1) 中身から通し番号へ。 は分子5・分母8で、和は だから第 群。分子の小さい順に並ぶので群内の位置は 番目。第11群までの項数は

よって は第 項。

② (2) 通し番号から群の番号へ。 第100項が第 群に入る条件は

だから第14群で、群内の位置は 番目。

③ 中身に翻訳する。 第14群の9番目は、分子 ・分母 :

(この列は約分しない約束なので、 のまま答える。)

まとめ: 群数列は「累積項数の橋」を両方向に渡る型。中身の規則(分子 ・分母 )を最初に式で固定してしまえば、分数の列でも自然数の群数列とまったく同じ手順で処理できる。

発展 — 一歩先へ。 この斜め走査は、「正の分数(すべての正の有理数の表示)が、もれなくいつか現れる」一列の並べ方になっている。つまり分数の全体は、自然数と同じように 1番目・2番目…と数え尽くせる(可算)。カントールの対角線走査と呼ばれ、無限集合の大きさを比べる理論の出発点になった由緒ある並べ方だ。

(1) 第71項 (2)

別解

格子を斜めに走る(この列の正体)。 分数 を、格子点(分子, 分母)に対応させてみる。

分子分母O1/11/22/11/32/23/11/42/33/24/1第4群
分数を格子点(分子,分母)とみると、第g群は斜めの線 x+y=g+1 上の点を左上から右下へ走ったもの。群数列=格子の斜め走査

群は、直線 上の格子点()を、左上()から右下()へ走ったものだ。列全体は、格子平面を斜めの線ごとに掃いていく走査になっている。

この絵で(1)(2)を読み直す。 は点 で、乗っている斜め線は 、つまり第12群。その線上で 番目。第100項は、三角数の橋 から第14群の9番目、すなわち直線 上の点

計算は本解と同じだが、「群数列=格子の斜め走査」という絵を1枚もっておくと、規則の式( 番目は分子 ・分母 )が図から読めるようになり、暗記が要らなくなる。

ポイント

  • 規則の式化: 第 群の 番目 = 分子 ・分母
  • (1) 和13 → 第12群の5番目 →
  • (2) → 第14群の9番目 →

よくある間違い

  • 「分子と分母の和 」と取り違える(和は 。第1群の で検算すれば )。
  • (2) の境界不等式 の等号の側を逆にして、累積がちょうど群末のときにずれる。
  • 群の 番目の分母を と書く(規則を式で固定せず、雰囲気で処理した結果)。