数学B / 数列
約数の個数の総和(数える向きの交換)
問題
自然数 の正の約数の個数を と書く。 を求めよ。
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の表を作って足すのは力ずく。この和が数えている「もの」は何か — 組にして言い直せないか。同じ組の集まりを、逆の側から数えると景色が変わる。
解答・解説
方針
を1つずつ求めて足すこともできるが、見方を変える: 和は「 が を割り切る組 ()の総数」。これを ごとでなく ごとに数え直すと、 の倍数の個数 の和に化ける。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 を20個計算して足しても届く。だが、この和の正体を見抜くと一気に整う。
は「 の約数 」の個数。だから和全体は、組 ( は の約数、)の総数を数えている。
この組の集まりを、 ごと(縦)ではなく ごと(横)に数え直す。 を固定すると、 が約数になる とは の倍数のことで、その個数は 個。数える向きの交換(二重数え)が急所だ。
① 対応を確かめる。 「 の約数として を数える」ことと「 の倍数として を数える」ことは、同じ組 を逆から見ているだけ。だから2つの総和は等しい。
② ごとに足す。
前半( 〜 )の和は 、後半は 。よって
③ 検算。 素直に で一致する。
まとめ: 「(約数の個数)の和 =(倍数の個数)の和」— 格子状に並んだ組を縦に数えるか横に数えるかの交換だ。割り切りの関係を組 の表として見る目は、数列と整数にまたがる広い応用をもつ。
発展 — 一歩先へ。 は、 が大きいとおよそ で成長する(調和級数の形)。つまり「 以下の数は平均して約 個の約数をもつ」。双曲線法はこの平均の精密化(ディリクレの約数問題)への入り口で、大学以降の解析的整数論に直結している。
別解
対称性で半分だけ数える(双曲線法)。 組 ()は、 と書けば「 を満たす自然数の組 」と同じもの。つまりこの和は、双曲線 の下にある格子点の個数だ。
この見方の御利益は対称性にある。 と は対で現れるから、()の部分だけ数えて2倍し、両方 以下の正方形部分(重複)を引けばよい:
を まで走らせる(本解の交換)代わりに、 までで済んだ。
が大きいほどこの節約は効いて、 程度の項数で が数えられる。「対称な表は半分だけ数えて折り返す」— 二重数えの上級技だ。
ポイント
- 和の正体は組 (、)の総数。
- ごとに数えると 。
- (直接計算とも一致)。
よくある間違い
- の値を暗算で誤る(、 など。表に書き出すのが確実)。
- 「約数として数える」と「倍数として数える」が同じ組の2つの見方だ、という対応の説明を答案から落とす。
- 双曲線法で重複部分(両方 以下の 組)を引き忘れて と答える。