数学B / 数列

平方の逆数の和の上からの評価

最難関編和の評価部分分数

問題

すべての自然数 について、次の不等式が成り立つことを示せ。

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分母が積の形なら差に割れて和が消える — をそれより少し大きい「積の形」と比べられないか。全部の項を粗く置き換えると上界が緩みすぎる。どこから置き換え始めるかを調整してみると。

解答・解説

方針

の和は求まらないので、少しだけ大きくて和が求まる に取り替える。ただし取り替えを始める位置が勝負: 最初の2項を正確に残して3項目から評価すると、上界がちょうど に収まる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の和に公式はない。そこで、少し大きくて和が求まる形に取り替える: 。差の形だから、足すと望遠鏡式に消える。

ただし から全部取り替えると、上界は までしか下がらず に届かない。

評価の粗さは「どこから始めるか」で調整できる。 最初の2項 を正確に残し、 から取り替えるのが急所だ。

重要上からの評価は「途中から」使う: 最初の数項を正確に残すほど上界は鋭くなる。

① 各項の評価()。 だから

のとき。 最初の2項を残して足し上げると、差の和は間が消えて

だから

③ 小さい を確かめる。 : : 。よってすべての自然数 で成り立つ。

まとめ: 「和が求まる形(積の分母 → 差)への取り替え」と「取り替え開始位置の調整」の2段構え。ちなみにこの和は を限りなく大きくしても 程度にしかならないことが知られていて、 の壁はこの初等的な評価だけで保証できる。

発展 — 一歩先へ。 この和は を限りなく大きくすると に収束することが知られている(バーゼル問題。オイラーが1735年に解いた)。 も別解の も、その真の値のすぐ外側に立つ壁だ。初等的な望遠鏡評価だけで、円周率の潜む定数の 精度まで迫れている。

証明( と評価し、最初の2項は正確に残す)

別解

分母を半分だけずらす(さらに鋭い上界 )。 取り替え先を でなく、 を中心に半分ずつずらした積にすると、評価が一段と鋭くなる。

(分母を小さくしたので分数は大きくなる。そして差の形なので消える。)今度は から使ってよい:

だから、求める不等式はさらに強い形で示せた。

本解の「開始位置の調整」に対して、こちらは「取り替え先の設計」で精度を稼ぐ。中心 から対称に ずらすと誤差が打ち消し合う、という感覚は評価問題の宝物だ。

ポイント

  • (望遠鏡式)。
  • 最初の2項 は正確に残す(粒度の調整)。
  • 上界

よくある間違い

  • から粗い評価を使い、上界 までしか出ずに詰まる。「どこから取り替え始めるか」が調整のつまみだと気づけるか。
  • 部分分数の向きを と逆に書く(引く順は「小さい分母が先」)。
  • 評価が からなのに、 の個別確認を書かずに「すべての自然数で成立」と締める。