数学B / 数列

平方根の逆数の和の整数部分

最難関編和の評価はさみうち

問題

とする。 の整数部分( を超えない最大の整数)を求めよ。

ヒントを見る

和そのものは求まらない。求まらない和は、足したときに間が消える「差の形」で上下からはさむのが常道 — を、分母を少し取り替えた差の形と比べられないか。

解答・解説

方針

この和は正確には求まらないが、整数部分だけなら を隣り合う整数の間に閉じ込めればよい。 を「足すと消える差の形」 で両側からはさむと、和が望遠鏡式に潰れる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 100項の和は、閉じた式にならない。だが問われているのは整数部分だけ。つまり のように、隣り合う整数の間に閉じ込めれば十分だ。

和が求まらないときの常道は、各項を「足すと途中が消える差の形」で置き換えること。有理化の逆向き に気づけるかが勝負になる。

分母の と比べれば、 が差の形で両側からはさめる。

重要有理化の逆向き: 。分母の大小比較で を差の形ではさみ、和を望遠鏡式に消す

① 各項を両側から評価する。 だから

同様に では だから

② 下からはさむ。 すべての で左の評価を足すと、間が消えて

より だから

③ 上からはさむ。 第1項の だけ別に残し、 に右の評価を使うと

④ 結論。 だから、 の整数部分は

まとめ: 「求まらない和は差の形で両側からはさむ」。 の望遠鏡評価は 型の定番で、端の項()だけ正確に残す几帳面さが、上下の幅を1未満に保つ急所になる。

発展 — 一歩先へ。 両側の評価 は、 が「」で成長することを示している。差の形 は、数学IIIで学ぶ の離散版そのもの。「和を積分で評価する」という強力な一般手法の、最初の一歩がこの問題だ。

別解

評価を予想して帰納法で確定する(発見と検証の分業)。 はさむ不等式そのものを目標として、数学的帰納法で示す手もある。主張はこうだ:

: 左は 、右は で成立(右は等号)。

ステップ: に仮定を使う。右側は

(最後の不等号は 、つまり に帰着。)左側も同様に から進む。

が出て、本解と同じ結論になる。

望遠鏡(本解)は評価を発見する道、帰納法は予想した評価を検証する道。入試では「 を示せ」と誘導されることも多く、そのときはこの帰納法(または本解の項別評価)がそのまま答案になる。

ポイント

  • 下から 、上から
  • より整数部分は18。

よくある間違い

  • 上からの評価で の項まで に置き換えてしまう( と緩みが大きく、上界が になって整数部分が確定しない)。端の項は正確に残す。
  • の評価が雑で下界が を超えることを示せない。 のように、2乗して比べる形で書く。
  • から分数の大小を逆に写す(分母が大きいほど分数は小さい)。