数学B / 数列
等比数列の決定
問題
第 項が 、第 項が である等比数列の初項と公比を求めよ。ただし公比は正とする。
ヒントを見る
第 項と第 項の比をとると、初項が消えて公比だけの式になる。公比が決まれば初項はすぐ。
解答・解説
方針
(第 項から公比を 回かけると第 項)。この関係で を求め、 から初項を出す。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 未知数は初項 と公比 の つ。条件も つ。連立方程式が立つ。
一般項 に、条件を入れる。
この連立を解く。うまい手は「割る」ことだ。 下の式を上の式で割る。
が約分で消えた! これが割り算の狙いである。
問題文に「公比は正」とあるので
に戻して を求める。
初項 、公比 。
等比数列の連立は「割る」 — 足したり引いたりせず、割って文字を消すのが定石だ。
① 公比を求める。 第 項から 回かけると第 項なので 。
公比は正なので 。
② 初項を求める。 。
まとめ:離れた 項が分かれば、間の公比の累乗で結べる。 から の つだが、条件「公比は正」で に絞る。符号の指定を見落とさない。
発展 — 一歩先へ。 「公比が正」という条件がなければ、どうなるか。
の場合も調べてみよう。
数列は
符号が交互に変わる!
確かめる: ✓、 ✓ — 条件を満たしている。
つまり、条件を満たす等比数列は つあった。
- 、: (すべて正)
- 、: (符号が交互)
問題文の「公比は正」という条件が、 つに絞ってくれていた。
この条件がなければ、 つとも答えなければならない。
「条件を見落とすと、解が増えたり減ったりする」 — 数学の答案では、条件の確認が命綱だ。
さて、公比が負の等比数列は、どんな振る舞いをするか。
符号が交互に変わり、絶対値は増えていく — 振動しながら発散する。
で が負なら?
振動しながら、 に収束する。
公比 の値による、数列の運命。
| の範囲 | 振る舞い |
|---|---|
| 正のまま、無限大へ発散 | |
| 一定() | |
| 正のまま、 に収束 | |
| 振動しながら に収束 | |
| (振動、収束しない) | |
| 振動しながら発散 |
たった つの数 が、数列の未来を完全に決めている。
なら収束、 なら発散 — 境目は 。
この分類が、無限等比級数の収束条件()の根拠になっている。 数IIIの極限で、この表が主役になる。
初項 、公比
別解
「等比中項」を使うと、もっと鮮やかに解ける。 等差数列の"中間の項"に対応する、美しい概念だ。
等比中項とは。
「真ん中の項の 乗 両隣の積」
なぜか。 公比を とすると 、 だから
この問題に使う。
、、 — が等比中項だ!
第 項が と分かった。
公比は、隣の項の比。
初項は、 を で割る。
同じ答え ✓ しかも、連立方程式を解いていない。
等比中項の使いどころ。 「 つ飛ばしの 項が分かっている」ときに、間の項を"補間"できる。
— 数の相乗平均である。
等差との対比を、しっかり押さえよう。
| 等差中項 | 等比中項 | |
|---|---|---|
| 条件 | ||
| 中間の項 | ||
| 名前 | 相加平均 | 相乗平均 |
「等差数列の真ん中は相加平均、等比数列の真ん中は相乗平均」
そして、この つのあいだには、有名な不等式がある。
相加相乗平均の関係!
「等差中項 等比中項」 と読める。
この問題で確かめよう。 と の
- 相加平均:
- 相乗平均:
確かに、相加平均のほうが大きい。
等号が成り立つのは、 のときだけ。 なので、この場合は狭義の不等号()になる ✓
数列の「中項」と、不等式の「平均」が、 つの構造で結ばれている。 問題 で、この関係をさらに掘り下げる。
ポイント
- ( 項離れれば )。
- は 。条件で符号を決める。
よくある間違い
- から だけを答え、 の可能性を検討しない(この問題では「正」の条件で除外できる)
- を としてしまう(第2項の指数は )
- 連立を「引き算」で解こうとして、文字が消えず行き詰まる(等比では「割る」)