数学B / 数列
等差数列の項数
問題
初項 、公差 の等差数列で、 は第何項か。
ヒントを見る
まず一般項を の式で書く。『それが に等しい』という方程式を解けば、項番号が出る。
解答・解説
方針
一般項 が に等しいとおいて、 について解く。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「 は第何項か?」— 一般項を作って、方程式を解く。
一般項。 初項 、公差 だから
これが になる を求める。
第 項。
検算しよう。
「項数を求める」問題は、一般項の方程式を解くだけ。
答えが整数にならなかったら、「その数は数列に現れない」ということ — これも大事な結論だ(たとえば は から となり、この数列には現れない)。
① 一般項を求める。
② とおいて解く。
よって は第 項。
まとめ:「ある値が第何項か」は、一般項 = その値 の方程式を解くだけ。 が正の整数になるか(数列の項として存在するか)も確かめると確実だ。
発展 — 一歩先へ。 「等差数列に、ある数が現れるか?」— この問いは、整数論の問題に化ける。
この数列の一般項は 。
現れる数は、
共通点は? — すべて「 で割ると 余る数」だ。
は? → で割ると 余る ✓ だから現れる。
は? → 余りが → 現れない。
「余りを見るだけで、現れるかどうかが分かる」 — 計算せずに判定できる。
この視点で、有名な定理を紹介しよう。
ディリクレの算術級数定理( 年)
たとえば ( と は互いに素)には、素数が無限にある。
「 で割って 余る素数」も無限にある()。
「 で割って 余る素数」も無限にある()。
素数は、どの"剰余類"にも、公平に無限個ずつ現れる。
逆に、初項と公差が互いに素でないと、話が変わる。
(初項 、公差 。)なら
素数は、 つも現れない( より大きい偶数は、素数ではないから)。
「互いに素」という条件が、素数の存在を保証する。
そして、この定理の証明は、驚くほど難しい。 ディリクレは、解析学(複素関数論)を使って証明した — 整数の問題を、連続の世界の道具で解いたのだ。
「素数がどこに現れるか」 — この問いは、リーマン予想( 万ドルの懸賞金がかかった未解決問題)へと続いている。
という単純な等差数列。 その中に、素数論の深淵が口を開けている。
第 項
別解
式を立てずに、「何歩進んだか」を数えるだけでも解ける。 直感的で、暗算でもできる方法だ。
「歩数」で考える。
初項 から、 まで、どれだけ離れているか。
歩あたり、 進む(公差 )。
何歩必要か。
歩進んだところが 。
しかし、初項が「第 項」であることに注意。
歩進むと、第 項。
式を立てずに、暗算で解けた。
この「」が、公式の の正体だ。
「 番目」と「 歩」の食い違い — これが、数列で最も多いミスの原因である。
この食い違いは、日常でもよく起きる。
「電柱が 本並んでいる。両端の電柱の間の距離は?」
電柱の間隔が か所? — 違う。 か所である。
「植木算」 と呼ばれる、有名な引っかけ問題だ。
数列の は、まさにこの「植木算」の構造をしている。
同じ構造は、他にもある。
- 「 月 日から 月 日までは何日間?」 → 日間(両端を含む)
- 「 月 日から 月 日までは何日後?」 → 日後(歩数)
「個数」と「間隔の数」は、必ず ずれる。
この のズレを、プログラミングでは つずれ誤差と呼ぶ。 最も頻繁に起こるバグとして恐れられている。
「数え始めをどこにするか」 — 人類が永遠に間違え続けている、この小さな問題。数列の は、その最前線である。
検算の習慣を持とう。 答えが出たら、必ず一般項に代入して確かめる。
秒の検算で、 のミスは根絶できる。
ポイント
- 第何項か = を で解く。
- が正の整数になるか確認。
よくある間違い
- 歩数()をそのまま項番号としてしまう(初項が第1項なので する)
- 一般項を としてしまう( で初項5になるか確認する)
- 答えが整数にならなくても、無理に整数に丸めてしまう(その数は数列に現れない、が正しい結論)