数学B / 数列
等比数列の一般項
問題
初項 、公比 の等比数列の一般項 を求めよ。また、第 項を求めよ。
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等比数列の一般項は『初項に、公比を何回かけたか』。第 項までに公比を何回かけるかを考えれば書ける。
解答・解説
方針
等比数列は「初項に公比を 回かける」。公式 に 、 を入れる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 等比数列は「同じ数を掛け続ける」数列だ。
等差が「足す」なら、等比は「掛ける」。
第 項までに、何回掛けるか。
- 第 項: ( 回)
- 第 項: ( 回)
- 第 項: ( 回)
- 第 項:
ここでも 。 等差のときと同じ理屈だ( 回ではなく 回)。
第 項。
「初項 公比の 乗」 — 等差の公式と、構造がそっくりである。
① 公式に代入する。 、。
② 第 項を求める。 、指数は 。
まとめ:等比数列は「初項 × 公比の 乗」。指数が ではなく なのに注意( で となり初項に戻る)。
発展 — 一歩先へ。 等比数列の「増え方」は、人間の直感を軽々と超える。
有名な「米粒の逸話」。
チェス盤の マス目に米 粒、 マス目に 粒、 マス目に 粒 と、倍々にしていく。 マス目には何粒か?
約 京粒。 全部足すと 粒 — 世界の米の年間生産量の、 年分を超える。
倍々ゲームは、 回で世界を飲み込む。
「複利は人類最大の発明である」(アインシュタインの言葉とされる)。
年利 で 万円を運用すると:
- 年後: 万円
- 年後: 万円
- 年後: 万円
年で 倍以上。 元本の ( 万円)ずつ足していく単利なら 万円 — 等比と等差の差は、時間とともに開く一方だ。
「 の法則」 という便利な目安がある。
年利 なら、 年で 倍。
なぜ か。 対数で計算すると
約 年 ✓ — と、小さい での という近似から、 が出る。 は割り切れやすいので、実務で使われている。
逆に、恐ろしい面もある。
インフレ率 が続くと、 年でお金の価値は半分になる()。
細菌が 分で 倍に増えるなら、 日( 回分裂)で 個 — 地球を覆い尽くす計算になる(実際には栄養が尽きて止まる)。
等比数列の増加は、指数関数的である。 そして指数関数は、どんな多項式よりも速く増える。
でさえ、 には敵わない。
「倍々」の力を、決して侮ってはいけない。
、第 項は
別解
等差と等比を、徹底的に対比しよう。 つは「足し算の世界」と「掛け算の世界」の、鏡像である。
対比表。
| 等差数列 | 等比数列 | |
|---|---|---|
| 作り方 | 公差 を足す | 公比 を掛ける |
| 一般項 | ||
| 関数の型 | 次関数(直線) | 指数関数(曲線) |
| 隣り合う項の関係 | 差が一定 | 比が一定 |
| 中間の項 | 相加平均(等差中項) | 相乗平均(等比中項) |
| 和の公式 |
「足す」と「掛ける」を入れかえると、等差が等比に化ける。
そして、この つは"対数"で結ばれている。
等比数列 の、各項の対数をとってみよう。
計算すると
ずつ増えている! — 等差数列になった!
なぜか。
を公差とする、等差数列の一般項の形 ✓
「掛け算を足し算に変える」という対数の性質が、ここでも働いている。
この事実の実用性。
等比数列の問題を、対数をとって等差数列の問題に変えることができる。
例: 「初項 、公比 の等比数列で、 を超えるのは第何項か?」
両辺の常用対数をとる。
第 項 で を超える。
確かめる: ✓、 ✓
指数の問題が、対数で 次不等式に化けた。
「等差」と「等比」を行き来する道具が、対数である。 数IIの指数対数と、数Bの数列が、ここでつながる。
そして、この関係は現実にも現れる。
- 音階: 振動数は等比数列()だが、人間には等差(半音ずつ)に聞こえる — 耳が対数をとっている!
- 地震のマグニチュード: エネルギーは等比、 は等差
- 株価: 「 上昇」は等比、対数グラフで見ると等差(直線)
掛け算の世界を、足し算の世界に写す。 対数は、その架け橋である。
ポイント
- 。指数は 。
- で 、初項に戻る。
よくある間違い
- としてしまう(指数は 。 で初項2になるか確認する)
- を と計算してしまう(掛けるのは だけ)
- 公比を「差」と混同する(等比は隣の項の"比")