数学B / 数列
等差数列の和
問題
初項 、公差 の等差数列の、初項から第 項までの和 を求めよ。
ヒントを見る
等差数列の和には『最初と最後を足して、個数をかけて半分』という覚え方があった。最後の項(第 項)を先に用意しよう。
解答・解説
方針
等差数列の和は「(初項 + 末項)× 項数 ÷ 2」。まず末項 を求め、和の公式に入れる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 等差数列の和には、便利な公式がある。
必要なのは「項数」「初項」「末項」の つ。
末項(第 項)は、前問で求めた。
代入する。
この公式、どこかで見た形ではないだろうか。
台形の面積公式とそっくりだ。偶然ではない(別解で説明する)。
「初項と末項を足して、項数を掛けて、 で割る」 — これだけである。
① 末項を求める。 。
② 和の公式に代入する。 初項 、末項 、項数 。
まとめ:等差数列の和は「(初項 + 末項)÷ 2 × 項数」= 平均 × 個数。末項が分からないときは の形を使う。
発展 — 一歩先へ。 等差数列の和 を、 の式で書くとどうなるか。
の 次式!(定数項がないのが特徴だ。)
この問題なら
確かめる: ✓
「等差数列( 次式)の和は、 次式になる」
これは、積分と同じ構造だ。
和をとると、次数が 上がる — 積分と同じ ✓
一般に
| 数列 | 和 |
|---|---|
| 定数( 次) | 次式 |
| 次式(等差) | 次式 |
| 次式 | 次式 |
| 次式 | 次式 |
この対応が、 の公式の背景にある。
そして、この逆も使える。
「 から を求める」 ときは、差をとる。
微分と同じ!
「和の階差は、元の数列に戻る」 — 微積分学の基本定理の、離散版である。
ただし、 のときは別扱い( が定義されないので)。この例外処理が、数列の問題で頻出の罠になる。
と の関係は、積分と微分の関係そのもの。 数列と微積分は、同じ構造を共有している。
別解
この公式は、 歳のガウスが発見した(という伝説がある)。 その方法を追体験しよう。
ガウスの逸話。
年代、小学校の教師が「 から まで足しなさい」と課題を出した(時間稼ぎのつもりだった)。
歳のガウスは、数秒で答えを出した。 である。
彼の方法。
和を、 回書く。 回目は普通に、 回目は逆順に。
縦に足す。
どのペアも、和が !
この問題でも、同じことをやってみよう。
縦に足すと
公式と同じ答え。
なぜ、どのペアも同じ和になるのか。
片方は ずつ増え、もう片方は ずつ減る — 増減が打ち消し合うからだ。
これが公式の証明である。
そして、台形との関係。
数列を、棒グラフで描いてみよう。 高さ の棒が、 本並ぶ。
棒の先端は、直線上に並んでいる(等差数列だから)。
この棒グラフの"面積"(全部の棒の高さの和)が、 だ。
そして、棒の集まりは、ほぼ台形の形をしている。
- 上底: 最初の棒の高さ
- 下底: 最後の棒の高さ
- 高さ(横幅): 棒の本数
台形の面積公式 ✓
「等差数列の和 台形の面積」 — 図形と数列が、 つの公式で結ばれている。
ガウスの発想は「対称性を使う」ことだった。 逆順に並べて足す — わずか 行の工夫で、 個の足し算が 回の掛け算になった。
「うまい見方を つ見つければ、計算は消える」 — これが数学の本質である。
ポイント
- (平均 × 個数)。
- 末項が不明なら 。
よくある間違い
- 末項()を求めずに、公式に代入できない
- で割るのを忘れる(公式の分母 )
- 項数と末項を取り違える( が項数、 が末項)