数学A / 整数の性質
約数すべての積が n³ になる数
問題
を2以上の自然数とする。 の正の約数すべての積が に等しいような のうち、最小のものを求めよ。
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約数を全部掛けるとき、いちばん小さいものといちばん大きいものから順に組にして掛けると何が見えるか。積が の累乗にまとまるなら、条件は「約数の個数」だけの話にならないか。
解答・解説
方針
約数 に相棒 を組ませると各組の積が になるので、約数が 個なら約数全体の積は 。条件は に翻訳され、「約数がちょうど6個の最小の数」を素因数分解の型から探す。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 約数を全部掛ける、という一見つかみどころのない量は、ペアリングで一気に潰れる。約数 と を組にすると、各組の積はちょうど だ。
約数が 個なら組は 組で、積は ( が約数になる場合も、自分と組んだとして同じ式でよい)。すると条件 は、 から指数を比べて 。「約数がちょうど6個」という個数の問題に翻訳される。
あとは、個数6を実現する素因数分解の型を比べるだけだ。
① 約数の積を求める。 約数 が の約数なら も約数で、。全約数をこの組に分ける(平方数のときの は自分と組む)と、積は
② 条件を個数に翻訳する。 で だから、指数を比べて 、すなわち 。
③ 約数6個の最小の数。 素因数分解 に対し 。 または だから、型は
- 型: 最小は
- 型: 最小は
よって最小は 。(検算: 12の約数 の積は 。)
まとめ: 「約数の積 → 」「条件 → 個数 」「個数 → 素因数分解の型」と、3回の翻訳で問題がどんどん簡単な言葉に置き換わっていく。ペアリング( と )は約数の問題の万能の第一手だ。
発展 — 一歩先へ。 同じ翻訳で、「約数の積が 」なら 。型は (最小128)、(最小24)、(最小30)で、答えは24になる。指数を1つ動かすだけで、型の競争の顔ぶれが変わるのが面白い。
別解
2回書いて掛ける(平方数の心配が消えるルート)。 ペアの作り方で の扱いが気になった人へ。ペアを作らずに済む方法がある。
約数全体の積を とする。約数を小さい順に書いた列と、大きい順に書いた列を、縦に並べて掛ける:
(2列目が「大きい順」になるのは、 が約数全体を逆順に並べ替えるから。)よって
が約数かどうかの場合分けは、最初から現れない。
これは、 を「逆順に書いて足す」ガウス少年の計算の、掛け算版だ。ペアにする代わりに全体を2回使う。この小さな設計変更が、例外処理を消してくれる。
ポイント
- 約数の積は (ペア )。
- 。
- 約数6個の型 (最小32)と (最小12)→ 答え12。
よくある間違い
- が平方数のとき( が約数)のペアの扱いで手が止まる。「自分と組む」でよいし、別解の2回書く方式なら最初から問題にならない。
- 約数6個の型に を入れてしまう。 の約数は 個で、これは の型。
- 型(32)と 型(12)の片方だけ調べて答える。最小は全部の型を比べて決まる。