数学A / 整数の性質

ピタゴラス数の積は60の倍数(合同で場合分け)

実戦編整数の性質合同ピタゴラス数倍数単元横断

問題

を満たす自然数 について、積 の倍数であることを示せ。

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で割り切れることを別々に。平方数 だけ、 でどれかが割り切れる。

解答・解説

方針

なので、 で割り切れることを個別に示す。平方数を で見ると取りうる値が限られ、 のどれかが各素因数で割り切れることが従う。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 と分解する。 は互いに素だから、 でも でも でも割り切れることを別々に示せば十分だ。

カギは「平方数を小さい数で割った余りはごく限られる」こと。 では でも では しかない。

この制約を に当てはめる。「どれも割り切れない」と仮定した瞬間に余りが合わなくなり、 のどれかが各素因数を担うと分かる。

重要平方数 のいずれか

の倍数。 もし がともに で割れないなら 。だが平方数は になれない。矛盾。よって の少なくとも一方は の倍数、 の倍数。

の倍数。 もし がともに奇数なら 。だが平方数は になれない。よって の少なくとも一方は偶数。偶数の平方は の倍数(かつ奇数²は の考察で、 の一方は の倍数になる)。ていねいには、 の一方が偶数で、その偶数 について、 の偶奇から (または )が の倍数と分かる。いずれにせよ の倍数。

の倍数。 もし がすべて で割れないなら、平方は の組で調べると、 に一致するのは無い( はいずれも不適)。矛盾。よって のどれかは の倍数、 の倍数。

まとめ 。平方数の の値が限られることを使うと、 のどれかが各素因数で割り切れ、 すべての倍数。よって の倍数。整数(合同)と場合分けの融合。

発展 — 一歩先へ。 の担当は別々でもよいし、 つの数が兼任してもよい( では を兼任する)。また はこれ以上大きくできない。 自身の積が だからで、 は「すべてのピタゴラス数の積の最大公約数」である。

の倍数・ の倍数・ の倍数であることを、平方数の の値で場合分けして示す。

別解

別解 — 一般形 で見る(得意な人向けの高い視点)。 原始的な( 数に共通因数がない)ピタゴラス数は、互いに素で偶奇の異なる を使って と書けることが知られている。一般の解はその整数倍だから、原始解で を示せば十分だ。

  • の倍数: は偶奇が異なるので は偶数。よって の倍数。
  • の倍数: とも で割れないなら で、
  • の倍数: とも で割れないなら 。同じ値なら 、違う値なら

どの素因数も の誰かが必ず担う。本解のもどかしい の議論も、一般形の上では「 が偶数」の一言に整理される。

ポイント

  • 、各素因数で割り切れることを別々に示す。
  • 平方数の の取りうる値が限られる。
  • に当てはめ、どれかが割り切れると背理法で示す。

よくある間違い

  • 平方数の余りの表( など)を確認せずに使う( を割ってみるだけの数行を惜しまない)。
  • の段で「 の一方が偶数」まで示して満足する(積に因数 個では足りない。その偶数が実は の倍数であることまで詰める)。
  • の段で を候補から外す( と違い、 が担うことがある。例: では )。