数学A / 整数の性質

倍数の判定法

★ 基礎倍数の判定

問題

次の問いに答えよ。

(1) の倍数か、 の倍数かを判定せよ。

(2) 桁の整数 の倍数となるような、十の位の数字 ()をすべて求めよ。

(3) 桁の整数 の倍数となるような、十の位の数字 を求めよ。

ヒントを見る

の倍数は『各位の数字の和』が の倍数かで決まる。 の倍数は『下2桁』だけ見ればよい。まず、その和や下2桁を書き出そう。

解答・解説

方針

倍数かどうかは、割り算しなくても『判定法』で見分けられる。 は各位の数字の和を、 は下2桁だけを見る — これがカギだ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 倍数の判定法は、どこを見るかが数によって違う。ここを取り違えないことがすべてだ。

  • の倍数・ の倍数各位の数字の和を見る
  • の倍数だけを見る
  • の倍数一の位だけを見る

(1) の各位の和は の倍数だから、 の倍数。 の倍数は自動的に の倍数でもある。

(2) の倍数はで決まる。上の は関係ない。 の倍数になる を探せばよい。

(3) の倍数。 桁だから、和は の範囲 — しかありえない

公式倍数判定:3・9 の倍数 → 各位の数字の和が 3・9 の倍数

(1) の倍数・ の倍数は、各位の数字の和で見分けられる。 の各位の和は

の倍数(だから の倍数でもある)。よって の倍数でも の倍数でもある。

(なぜ和で判定できるのか。 で、 の倍数だから、 で割った余りは『各位の和 で割った余り』と同じになる。)

(2) の倍数かどうかは、下2桁だけで決まる( の倍数なので、百の位から上は で割り切れる)。 の下2桁は 。これが の倍数になる を探す。 のうち で割り切れるのは 。よって

(3) の各位の和は なので、。この中の の倍数は だけなので 、つまり

発展 — 一歩先へ。 ここで使った「 と分解する」という技は、合同式という記号を使うと驚くほど簡潔になる。

(「 で割った余りは 」と読む。) 合同式は掛け算・足し算がそのままできるので

したがって

行で証明が終わる。

の判定なら を使えば、百の位から上が丸ごと消える。「余りだけを追いかける」という発想が、桁の話を一瞬で片づける。

合同式は、この単元(整数の性質)全体を貫く道具である。倍数判定、余りの分類、不定方程式、 進法 — すべてが「余りの世界」の話だ。 つの記号が、バラバラに見えた話を 本につないでくれる。

(1) の倍数かつ の倍数 (2) (3)

別解

なぜ「各位の和」で の倍数が分かるのか。なぜ は「下 桁」なのか。 理由を知れば、判定法は暗記事項でなくなる。忘れてもその場で作り直せる。

の判定法のからくり。

を位ごとにばらす。

ここで と書きかえる。

前半は問答無用で の倍数( の倍数だから)。だから の倍数かどうかは、後半の「各位の和」だけで決まる

はすべて の倍数なので、この理屈は何桁でも通用する。 で割ると 余る」という、たった つの事実が判定法の正体だ。

の判定法のからくり。

こちらは に注目する。 の倍数だ。

百の位から上は、 が掛かっているので全部 の倍数。だから の倍数かどうかは 桁だけで決まる。上の桁が何であろうと関係ない。

これで(2)が解ける。 の倍数になるのは

同じ理屈で、判定法が次々に作れる。

  • の倍数: の倍数 → を見る
  • の倍数: でも でも割れる → を見る
  • の倍数: で割ると 余る( と同じ理屈)→ 各位の和

の倍数も面白い。 で割ると 余ると考えると、一の位から交互に して足した和( のような)で判定できる。 なら の倍数ではない、と分かる(実際 )。

判定法は「 のべきを、その数で割った余り」から生まれる。 覚えるべきは 個の判定法ではなく、この つの仕組みである。

ポイント

  • の倍数 → 各位の数字の和で判定
  • の倍数 → 下2桁で判定( の倍数だから)
  • の倍数なら必ず の倍数(逆は成り立たない)

よくある間違い

  • の倍数を各位の和で判定しようとする(下2桁で見る)
  • (3)で ()まで考えてしまう( は1桁)
  • (2)で (つまり )を「04 は2桁でない」として除いてしまう( は4の倍数なので正しい解)