数学A / 確率
サイコロの目を係数とする3次方程式
問題
1個のサイコロを3回投げ、出た目を順に とする。 の3次方程式
が整数の解をもつ確率を求めよ。
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解の候補は無限にあるように見えて、実はごくわずかしかない。係数の符号と、定数項との関係で候補を先に狩り込めるか。数え上げでは、同じ を2度数えていないかにも目を配りたい。
解答・解説
方針
整数解の候補をまず絞る: 係数がすべて正だから解は負で、さらに解の絶対値は の約数。 から までの各候補について係数の1次の関係式を作って を数え、2つの整数解をもつ組の重複を補正する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 方程式が主役に見えるが、実体は数え上げの問題だ。整数解 があるとして、情報を搾り取る。
まず符号。 だから では左辺は 以上で正。解は負に限る。
次に約数。 と変形すれば、 は の約数。 だから は 〜 の6候補しかない。
あとは候補ごとに「 を解にもつ 」を1次の関係式で数え、複数の候補で二重に数えた組だけ補正すればよい。
① 候補を絞る。 なら だから、整数解 は負。 を と見れば は の約数で、 より
② 候補ごとに数える。 を代入すると の1次の関係式になる。
- : 、つまり 。 ⟺ となる は21組( は自動的に決まる)
- : 。 を満たすのは、 で 、 で 、 で 、 で の計9組
- : 。 で 、 で の計4組
- : 。 の2組
- : 。 の2組
- : 。 の1組
③ 重複を補正する。 2つの候補で同時に数えられた組は、 と を両方解にもつ だけ()。ほかの2候補の連立は、 が1〜6の範囲を外れて解なし。よって
④ 確率。 全体は 通りだから
まとめ: 「整数解をもつ」は、符号と約数の情報で候補を有限個に狩り込む → 候補ごとに1次の関係式で数える → 重複を補正する、の3段構え。方程式の見た目に引きずられず、数え上げに翻訳するのが急所だ。
発展 — 一歩先へ。 この方程式は最高次の係数が1(モニック)だから、有理数の解は自動的に整数になる(有理数解 の分母 は最高次係数の約数)。つまり本問の答えは「有理数解をもつ確率」でもある。問い方を変えても同じ38組、という一段深い読みができる。
別解
因数分解の形から組み立てる(得意な人向け)。 整数解 ()をもつことは、整数係数で
と割れることと同じ( は整数)。展開して係数を比べると
つまり「 を数える」は「条件 を満たす を数える」に置き換わる。
たとえば なら、、、。つまり の格子点で、 組。21が三角形の形(三角数)で見える。
なら で 、、 の範囲条件から9組。以下同様に 組と数えられ、本解と同じ内訳になる。
代入の等式で数える(本解)か、因数の構造で数える(本ルート)か。同じ21でも「なぜ21か(三角数)」の説明力は、構造側が一枚上だ。
ポイント
- 解は負で、 は の約数 — 候補は 〜 の6つ。
- 候補ごとの個数は 21, 9, 4, 2, 2, 1。
- 重複 を1つ引いて 。
よくある間違い
- 正の数や0まで解の候補にして時間を失う。係数がすべて正なら で左辺は正、と最初に切る。
- と の両方で数えた の引き忘れ。数え上げで「または」を足したら、重なりを疑うのが習慣。
- 「整数の解をもつ」を「3つの解がすべて整数」と読み違える。1つでも整数解があれば条件成立。