数学A / 場合の数

符号つき二項和(全射の数え上げ)

実戦編数え上げ包除原理二項係数全射単元横断

問題

を自然数とする。 を求めよ。

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個から 個への全射は全単射だから 通り。これを「 個の要素が値域から抜ける」包除で数えると に置き換えると?

解答・解説

方針

写像 の全射の数を、包除原理で と表す。全射=全単射なので 。置換で目的の和に直す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 交互符号 二項係数 べき — この組合せは包除原理の指紋だ。何かの数え上げの式ではないか、と疑う。

人から 人への写像で「全員が像に現れる」(全射)を包除で数えると

— 使われない人を 人選んで除外する形。全射=全単射で答えは だ。

あとは の置き換えで、与えられた和の形に直せば

定理包除原理による全射の数 ( 個から 個への全射)

① 全射 全単射で の写像が全射なら、値域が 個すべてを覆い、大きさが等しいので単射でもある(全単射)。よって全射の数は

② 包除で数える。 値域の 個の要素を“覆わない”とする場合を包除で足し引きすると、全射の数は ③ 置換して目的の和に。 と置換する。 だから よって

まとめ 符号つき二項和は「全射の個数」の包除表示。全射=全単射で 、置換 で目的の和が と分かる。数え上げ・包除・二項の融合。 なら

発展 — 一歩先へ。 べきを下げると ()— 「 回差分すると 次未満は消える」の言い換えで、こちらも全射の数え上げ(不足するから0)として読める。この「二項係数×交互符号は 階差分」という翻訳は、スターリング数の一般式 の背景でもある。

個から 個への全射(=全単射 通り)を包除で数えると の置換で

別解

「n 回差をとる」と読む(階差の言葉)。 数列 の階差を とすると、 回繰り返した階差は二項係数で書ける:

— 与えられた和は( 倍を除いて) 階の階差そのものだ。

ここで階差の性質: 多項式の階差は次数を1下げ、先頭係数に次数を掛ける(、微分とそっくり)。 次の 回差分すると、 という定数だけが残る(低次の項は途中で消滅する)。よって

全射の数え上げ(本解)は組合せの物語、階差は「離散の微分を 回」という解析の物語。同じ和が2つの世界の橋になっている。

ポイント

  • 個から 個への全射は全単射で 通り。
  • 包除で
  • の置換で

よくある間違い

  • 包除の式を でなく で立てて符号がずれる( の置換で 倍が出る — この符号が答えの )。
  • 「全射 全単射」( 人から 人へ)の理由(有限集合で個数が同じ)を書かない。
  • の項()の扱いを雑にして和の端が崩れる。