数学A / 場合の数
重複組合せ(果物の選び方)
問題
りんご、みかん、なしの3種類の果物が、それぞれ十分たくさんある。この中から合計8個を買う。同じ種類を何個買ってもよく、買わない種類があってもよい。買い方は全部で何通りあるか。
ヒントを見る
同じ種類を何個買ってもよい=順番でなく『各種類を何個』の配分。 個の ○ と、種類の境目を表す仕切りを並べる問題に翻訳できる — 仕切りは何本必要?
解答・解説
方針
「3種類、合計8個、各種類は0個でもよい」— これは重複組合せの典型だ。
うまい数え方は、記号の並べ方に置きかえること。果物8個を ○ で、種類の区切りを 2本の仕切り | で表す。たとえば なら「りんご2・みかん3・なし3」だ。
こうすると、買い方の数が「○と|の並べ方」の数と同じになる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 問題の形は「 種類・合計 個・ 個も可」。
果物そのものを並べるかわりに、○ 個と仕切り 本の列に置き換える。すると、買い方と記号列がちょうど 対 で対応する。
ものの配分を、記号の並べ替えに翻訳する。重複組合せの核心は、この対応を見つけることにある。
3種類から合計8個を選ぶ問題を、「記号の並べ方」に置きかえる。果物を ○ で表し、りんご・みかん・なしの3グループを2本の仕切り | で区切る。たとえば
は「りんご2個、みかん3個、なし3個」を表す。買わない種類があるときは、その区画の ○ が0個になる(仕切りがとなり合う)だけで、ちゃんと表せる。
こうすると、買い方は「○を8個、|を2個、合わせて10個を1列に並べる」並べ方とぴったり1対1で対応する。10か所のうち、仕切り | を置く2か所を選べば並びが決まるので
まとめ:これは「 を満たす0以上の整数の組が何通りか」を数えるのと同じだ。一般に、 種類から重複を許して 個選ぶ重複組合せは、仕切り 本と ○ 個の並べ方 で求まる。ここでは で になる。
発展 — 一歩先へ。 この という数は、 を展開したときに現れる項の種類の数と同じだ。
展開すると ()の形の項が出る。指数の組 を選ぶことは、りんご・みかん・なしの個数を選ぶことにほかならない。だから項の種類は 通りになる。
このように「重複を許して選ぶ」数え上げは、多項式の展開や母関数と地続きだ。選び方を式の項に翻訳すると、代数の道具がそのまま数え上げに使える。
45通り
別解
別解 — りんごの個数で場合分けして足す(苦手な人向けの素朴なルート)。 仕切りの並べ方に翻訳せず、正面から数えてみる。
りんごの個数を 個と決める。 は から まで動く。
りんごを 個にすると、残りの 個をみかんとなしの 種類に分けることになる。みかんを何個にするかで分け方が決まり、みかんは 個から 個まで選べるので 通り。
あとは を動かして足し合わせる。
仕切りの発想がぱっと出なくても、 つの種類を固定して残りを数えるだけでたどり着ける。本解と同じ 通りだ。
ポイント
- 重複組合せは「○(品物)と |(仕切り)の並べ方」に置きかえる
- 種類から重複を許して 個 →
- 「 の0以上の整数の組の数」と同じ
よくある間違い
- ○ と仕切りを区別のあるものと思い、順列 で数える(どちらも同種の記号なので組合せ)。
- 仕切りの本数を種類数と同じ 本にしてしまう(区切りは種類数 本)。
- 「買わない種類があってもよい」を見落とし、各種類を 個以上として不要な先渡しを始める。