数学III / 積分法の応用

対数×余弦の曲線の長さ

最難関編曲線の長さ部分分数

問題

曲線 ()の長さを求めよ。

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長さの公式の根号の中身 — この曲線では驚くほど簡単になる。残った の積分は、分母分子に何を掛ければ既知の形(置換+部分分数)に持ち込めるか。

解答・解説

方針

長さの公式で y'=−tanx、1+tan²x=1/cos²x と根号がきれいに外れて L=∫dx/cosx に落ちる。1/cosx の積分は分母分子に cosx を掛けて t=sinx の部分分数 — 最後は (2−√3)(2+√3)=1 の共役の関係で対数が1つにまとまる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 曲線の長さは の微分は で、

根号がきれいに外れて( の範囲)、 に落ちる。

の積分が本丸だ。分母分子に を掛けて の部分分数に持ち込む。最後は共役 の関係で、対数が1つにまとまる。

公式(分母分子に → 部分分数)

① 根号を外す。 だから

を積分する。 分母分子に を掛けて

③ 値を入れる。 だから

ここで より 。よって

xyO(π/3, −log2)
曲線 y=log(cosx)(0≤x≤π/3)。右端 (π/3, −log2) までの弧の長さが log(2+√3)≈1.317

まとめ: で根号が外れる曲線は、長さの計算の名品。 の積分(掛けて置換して部分分数)と、共役 による最後の畳み込みまで、計算の見せ場が続く。

発展 — 一歩先へ。 は航海術の積分でもある。メルカトル図法(角度が正しい世界地図)で緯度 の緯線を描く高さがちょうどこの積分で、高緯度ほど地図が縦に伸びる(グリーンランドが巨大に見える)理由がこの の発散だ。曲線の長さの計算が、16世紀の地図製作の数学と同じ式に出会う。

別解

半角置換 (万能置換で一気に有理化)。 の積分には、三角関数を全部 の有理式にする万能の置換もある。

を入れると

だから

の部分分数(本解)と半角置換(本ルート)、 の2大ルートだ。半角置換は「三角関数の有理式なら何でも有理関数に変える」最終兵器で、他の手が尽きたときの保険になる。

ポイント

  • の部分分数。
  • 共役の関係で

よくある間違い

  • とするとき、()の確認を落とす(一般には絶対値)。
  • 部分分数 の係数 を落とす。
  • 答えを のまま提出する(共役で有理化して まで畳む)。