数学III / 積分法の応用

積分方程式(未知関数を求める)

最難関編積分方程式加法定理

問題

連続な関数

を満たすとき、 を求めよ。

ヒントを見る

積分の中の を分離できる公式があったはず。分離できれば、積分全体は「定数×cosx+定数×sinx」となり、 の形が決まってしまう。あとはその定数を自分自身で確かめる連立。

解答・解説

方針

cos(x−t) を加法定理で cosx cost + sinx sint にほどくと、積分は x によらない2つの定数 A, B を係数とする cosx, sinx の1次結合になる — f の形が先に確定する。その形を A, B の定義に代入して自己整合の連立を解く。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 積分の中の には、 が両方入っていて手が出ない。加法定理 でほどくと、 の部分は積分の外に出る:

によらないただの定数だ。与式は となり、 の形が先に確定する。

あとは、この形を の定義に戻して代入すれば、自己整合の連立方程式になる。

重要核を加法定理で分離 → 未知関数の形が確定 → 定数を自己整合の連立で決める。部品:

① 形を確定する。 上の分離により

を決める。 この形を に代入:

よって で、 だから

を決めて仕上げる。 同様に

したがって

( なので係数は負 — もとの方程式に戻して代入すると、たしかに両辺が一致することが確かめられる。)

まとめ: 「核の分離 → 形の確定 → 自己整合」の3手。()の3点セットが計算のすべてで、未知関数の問題が定数2つの連立に潰れる構造の鮮やかさを味わいたい。

発展 — 一歩先へ。 と「 の関数× の関数」の和に分解できたことが全てだった。関数を の成分に分けて扱うこの見方は、フーリエ級数(任意の周期関数を三角関数の和に分解する理論)の最小モデルで、途中で使った は「 の直交性」と呼ばれるその心臓部だ。

別解

形を先に断定して係数比較(未知数が最初から2つ)。 加法定理でほどいた瞬間に「 の1次結合」と分かるのだから、最初から とおいてしまう。

必要な積分は3つだけ( 上):

代入して積分を実行すると

方程式 で、 の係数を比較して

第2式から 、第1式から

積分に名前を付ける(本解の )か、関数の形に名前を付ける()か — 数IIの積分方程式で出会った2つの流儀が、三角関数の直交性()を相棒にして戻ってくる。

ポイント

  • の分離で
  • (係数は負)。

よくある間違い

  • を定数扱いして、そのまま で積分しようとする(加法定理でほどくのが第一手)。
  • とする(正しくは の積分で確認)。
  • 求めた を元の方程式に代入する検算を飛ばす(係数 が負になる違和感を検算で解消しておく)。