数学III / 積分法の応用
重みつき積分の対称化
問題
(1) 連続な関数 に対して、置換 を用いて次の等式を示せ。
(2) を求めよ。
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重みの が邪魔 — 積分区間を裏返す置換で、 を保ったまま だけを に取り替えられないか。取り替えた式ともとの式を並べて足すと何が起きるか。
解答・解説
方針
(1) x=π−t の置換で sin は不変、重み x だけが π−x に変わる — 変換前と足すと重みが定数 π に均される。(2)は 1+cos²x=2−sin²x に気づけば g(sinx) の形で(1)が使え、残る積分は u=cosx → 1/(1+u²) → u=tanθ の置換2連で π/2。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 重み がなければ計算できそうな積分に、 が掛かって手が出ない。そんなときは区間を裏返す置換 だ。
だから の部分は不変で、重みだけが に変わる。変換後の式ともとの式を足せば、重みは定数 に均されて(1)の等式が出る。
(2)は 。被積分関数が の形であることを見抜けば(1)に乗り、残った積分は置換の定番2連(、)で仕留まる。
① (1) を示す。 で (、 のとき )と置換すると
移項して 、すなわち示す等式を得る。
② (1) を適用する((2))。 だから、被積分関数は ()の形。よって
③ 残りを置換2連で。 ()で
さらに で 。よって求める値は
まとめ: 「重みつき積分は、裏返しの置換で重みを均す」— 型の万能の第一手。均したあとに残る積分も、 への置換 → → 置換という定番の連鎖で、置換積分の設計力を丸ごと試す一問だ。
発展 — 一歩先へ。 この裏返しの置換は という一般形で、対称化の常套手段として入試の最頻出装備になっている(たとえば も同じ技)。「重みを均す」「相方と足して簡単にする」— 形は違えど、全部この1本の置換の応用だ。
(1) 証明 (2)
別解
「対称な重みの重心」と読む(一般化すると正体が見える)。 (1)の等式は、 に限らない一般則の特殊な場合だ。
区間 上の関数 が中央 について対称()なら、まったく同じ裏返しの置換で
左辺は「重み のモーメント」、右辺は「(重心の位置 )×(総量)」。つまりこの等式は、対称な分布の重心は中央にあるという力学の常識を積分で言ったものだ。 は からつねに対称なので、(1)はこの一般則に含まれる。
(2)ではさらに、 が の役を務める。「 掛ける対称関数を見たら、 を重心 に置き換えてよい」— この読み方なら、置換計算を暗記でなく描像で再現できる。
ポイント
- で 。
- で の形と見抜く。
- → → 答え 。
よくある間違い
- 置換 で、 と積分区間の反転()を二重に処理して符号を誤る。
- の変形に気づかず、(1)が使える形()と見抜けない。
- の原始関数を と誤る(それは の積分。正しくは 置換)。