数学III / 積分法の応用

ドーナツ形(トーラス)の体積(回転体と幾何)

実戦編回転体定積分幾何積分法の応用単元横断

問題

とする。中心 、半径 の円板を 軸のまわりに1回転してできるドーナツ形(トーラス)の体積を求めよ。

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高さ で切ると、円板の左右の端 が回転して外半径・内半径になる。円環の面積を積分。 は半径 の半円の面積。

解答・解説

方針

軸回転なので高さ で切る。断面は円環で、その面積 で積分。 は半円の面積。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 軸のまわりの回転だから、高さ で水平に切る。断面は「円環(ドーナツの輪切り)」だ。

高さ での円板の左右の端は 。回転すると、外半径 、内半径 の輪になる。

輪の面積 を展開すると、 が効いて 。これを で積分する( は半円の面積)。

公式円環の面積 (半径 の半円の面積)

① 断面(円環)の面積。 高さ とおくと、外半径 、内半径 。円環の面積は

xyOb半径 a
中心 (b,0)・半径 a の円板を y 軸のまわりに回転。破線は回転後の姿(反対側)。高さ y で切ると外半径 b+√(a²−y²)、内半径 b−√(a²−y²) の円環。

② 積分する。 は半径 の半円の面積 。よって

まとめ 軸回転は高さで切って円環にする。 と因数分解でき、残る は半円の面積 。体積は 。回転体・積分・幾何の融合。

発展 — 一歩先へ。 パップス・ギュルダンの定理(別解)は、曲線の長さ版もある。「曲線を軸のまわりに回した曲面の面積 (曲線の長さ)(重心が動く距離)」。トーラスの表面積なら 。回転体の体積・表面積が、どちらも「重心の移動距離」で書けるのは、重心が“平均の位置”だからだ。

高さ での断面は外半径 、内半径 の輪。体積

別解

別解 — パップス・ギュルダンの定理で一撃(得意な人向けの高い視点)。 回転体の体積には、積分を使わない強力な定理がある。「平面図形を、それと交わらない軸のまわりに1回転してできる立体の体積は、(図形の面積)(重心が動く距離)」。

回す円板の面積は 。重心は円の中心 で、 軸のまわりに1回転すると半径 の円を描き、動く距離は 。よって

断面の円環を積分する(本解)と同じ答えが、掛け算1回で出る。パップスの定理は「回転体の体積 面積 重心の周」という、重心と回転体を結ぶ美しい橋だ。トーラスの体積が「半径 の円の面積 中心が描く円周」というのは、直感にもよく合う。

ポイント

  • 軸回転は高さ で切り、外半径・内半径の円環にする。
  • と因数分解。
  • (半円)、体積

よくある間違い

  • 円環の面積を とする(正しくは 、2乗の差)。
  • の展開を誤る。
  • (半円の面積)を誤る。