数学III / 積分法の応用
回転体の体積(放物線)
問題
曲線 と 軸、および直線 で囲まれた部分を、 軸のまわりに 回転してできる立体の体積を求めよ。
ヒントを見る
回転体は の積分。 を 乗すると根号が消えて、ただの多項式の積分になる。
解答・解説
方針
。 なので 。根号が消えて簡単な積分になる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 回転体の公式に、そのまま入れる。
ここで、うれしいことが起こる。
根号が、消えた!
回転体の公式は ではなく を使う。 だから、 に根号があっても、 乗すればきれいに外れる。
根号を含む関数と、回転体の相性はとてもよい。
面積()なら、 をそのまま積分する必要があり、指数の計算が要る。
だが体積()なら、 乗で根号が消えて、ただの 次関数になる。
「体積のほうが計算が楽」という、珍しいケースだ。
① を求める。 なので 。
② 積分する。
まとめ:回転体は を積分するので、 のような根号が できれいに消える。これが回転体の計算のうれしいところ。。
発展 — 一歩先へ。 回転体の体積は、 軸まわりだけではない。 軸まわりに回すこともできる。
同じ領域(、 軸、 で囲まれた部分)を、 軸のまわりに回してみよう。
軸まわりなら、公式はこうなる。
役割が入れかわる。 で積分し、 を 乗する。
を について解くと 。
だが、注意が要る。 回転させる領域は「曲線の下」なので、 軸まわりに回すと中空になる。
外側の円柱(半径 )から、内側( の左側)をくり抜く形だ。
軸まわりが 、 軸まわりが 。
同じ領域なのに、回す軸が違うと、体積はまったく違う。
当然だ。 遠くの軸のまわりに回すほど、大きく振り回されて、体積は大きくなる。
この「軸によって体積が変わる」という事実は、パップス・ギュルダンの定理で、鮮やかに定量化される。
- : 回転させる図形の面積
- : 図形の重心から、回転軸までの距離
「重心が動いた距離() 面積」が体積になる。
確かめてみよう。 この領域の面積は
重心の 座標を計算すると、 になる。
軸まわりの体積は
公式と一致した!
この定理の威力は、トーラス(ドーナツ)で発揮される。
半径 の円を、距離 ()離れた軸のまわりに回すと
積分を 度もせずに、ドーナツの体積が出た。
( が 乗で現れるのが、なんとも不思議だ。)
「重心が描く円周 面積」
この直感的な公式が、 世紀のパップスによって発見され、 世紀にギュルダンが再発見した。
回転体を、「面積が動いた軌跡」として見る。
つの視点の転換が、面倒な積分を消してしまうことがある。
別解
答えの が、「円柱のちょうど半分」であることに注目する。
この立体を囲む円柱を考えよう。
半径 (最大の の値)、高さ ( の範囲)の円柱。
求めた体積は — ちょうど、その半分だ。
なぜ、きっかり半分なのか。
断面の面積を、追いかけてみよう。
断面積が、 に比例している!
断面積が、 から へ、まっすぐ(線形に)増えていく。
線形に増えるものの平均は、両端の平均だ。
体積 平均の断面積 高さ ✓
「断面積が線形に増えるから、体積は円柱の半分」
円錐()との違いが、はっきりする。
- 円錐(): 断面積 は 次関数的に増える → 平均は → 円柱の
- この立体(): 断面積 は 線形に増える → 平均は → 円柱の
「断面積がどう増えるか」が、体積の割合を決めている。
さらに、 を回転させたら?(次の問題で扱う)
断面積は — 次関数的に増える。
つを並べてみよう。
曲線が"下に張りつく"ほど、体積は小さくなる。
は急に立ち上がって、上のほうに膨らんでいる → 太い立体
は の近くで長く這っている → 細い立体
一般に、 を回転させると
なら 、 なら 、 なら ✓
すべて、 つの公式で説明がつく。
「断面積の増え方」を見れば、計算する前に体積の見当がつく。
この感覚が、検算の武器になる。
ポイント
- 。 で根号が消える。
- 。
よくある間違い
- を計算せず、 をそのまま積分してしまう(それは面積の計算)。体積では を 乗する
- を としてしまう。 乗すると根号が外れて になる
- を掛け忘れる。断面は円なので、面積に が要る