数学III / 積分法の応用
2曲線間の面積(指数)
問題
において、曲線 と直線 で囲まれた部分の面積を求めよ。
ヒントを見る
どちらのグラフが上かをまず確認( での と の大小)。面積は『上 − 下』の定積分。
解答・解説
方針
で (曲線が上、直線が下)。面積は「上 − 下」= 。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 つの曲線で囲まれた面積は、「上 下」の積分だ。
この問題では、 と のどちらが上か。
区間 で確かめる。
のほうが上だ( では等しい)。
「どちらが上か」を、必ず区間内で確認する。 これが急所である。
上下を取り違えると、答えの符号が反対になる。
そして、面積は必ず正だ。 負の答えが出たら、上下を間違えている。
① 上下を確かめる。 で 。曲線 が上、直線 が下。
② 「上 − 下」を積分する。
まとめ: 曲線(曲線と直線)の面積は「上 − 下」を積分。 の原始関数は 。 が求める面積。上下の確認を忘れずに。
発展 — 一歩先へ。 「上 下」の積分は、 軸との位置関係を気にしなくてよい。この事実は、意外に重要だ。
曲線が、両方とも 軸の下にある場合を考えよう。
(下の直線)と (上の曲線)、。
どちらも負の値。 定積分はどちらも負になる。
それでも、「上 下」なら大丈夫だ。
同じ答えが出る。
もとの領域を、 軸に関して折り返しただけだから、面積が同じなのは当然である。
なぜ「上 下」が万能なのか。
縦の細長い長方形を考えると分かる。
の位置での長方形の高さは、 軸の位置に関係なく
「高さ 上 下」は、どこにあっても成り立つ。
そして、幅 を掛けて足し上げれば、面積になる。
軸との関係は、まったく効いていない。
この普遍性が、「上 下」の強さである。
逆に、「 軸との面積」を求めるときは、符号に注意が要る。
これは、「 と (x軸)のあいだの面積」だ。
が上なら 、 軸が上なら 。
つまり、 を積分するのと同じこと。
まとめると、面積の計算は 種類しかない。
軸との面積も、 曲線の面積も、すべてこの形。
軸は「 という直線」にすぎない。 特別扱いする必要はない。
この統一的な視点をもてば、「 軸の下だから 」といった場合分けを、暗記する必要がなくなる。
毎回「どっちが上か」だけを確認すればいい。
シンプルなルールを つ持っているほうが、複雑なルールを つ覚えるより、ずっと強い。
別解
引き算を、図形の引き算として見る。
積分の中で引き算をしなくても、面積そのものを引けばいい。
手順は ステップだ。
① の下の面積(前に計算したもの)を求める。
これは、 と 軸、、 で囲まれた領域の面積。
② その中から、余分な部分(長方形)を引く。
の下、つまり 、 の部分は、 辺 の正方形だ。
求める面積は、 から を引いたもの。
本解と同じ答え ✓
図でイメージしよう。
の下の領域から、床にあたる正方形を取り除く。 残ったのが、 と直線 に挟まれた三日月型の領域だ。
この見方の利点。
「上 下」という式変形を、図形の引き算として実感できる。
積分の線形性で、 つに分かれる。 そして
「定数 の積分」が「長方形の面積」になる — 当たり前のようで、味わい深い。
この考え方は、もっと複雑な場面でも効く。
例: と で囲まれた面積()。
「直線の下の三角形()から、放物線の下()を引く」 と読める。
引き算を、 つの面積の差として見る。
そうすれば、「なぜ上から下を引くのか」で迷うことはない。
大きいほうから小さいほうを引く — それだけの話だ。
ポイント
- 面積 = ∫(上 − 下)。
- が上、 が下。
よくある間違い
- 上下を取り違えて とし、答えが負になる。面積は必ず正なので、負が出たら上下が逆
- 定数 の積分を忘れ、 で終える。引くべき長方形()を忘れない
- で 曲線が接している(高さが等しい)ことを見落とし、区間の取り方で混乱する