数学III / 積分法の応用
面積(sin と x 軸)
問題
曲線 と 軸で囲まれた、 の部分の面積を求めよ。
ヒントを見る
この区間で は 以上 — 図をかいて確認してから、そのまま積分する。境界値の符号処理だけ丁寧に。
解答・解説
方針
で 。面積は定積分 。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 まず、符号の確認から。
この区間では、 の値は 以上。 グラフは 軸の上にある(山の形)。
だから、面積 定積分だ。
面積は 。
もし区間が から だったら、話は変わる。
から では — 曲線が 軸の下に潜る。
その部分の定積分は負になり、そのままでは面積にならない。
「まず符号、それから積分」 — この順序を、絶対に飛ばさないこと。
符号が変わる点(この場合 )で、区間を切り分ける必要がある。
まとめ: の 山()と 軸が囲む面積は 。有名な値。、 の符号処理に注意する。
発展 — 一歩先へ。 「符号が変わる区間では、絶対値をつける」
この操作の意味を、物理で確かめよう。
速度 が、時刻とともに正負に変わる運動を考える。
前半()は正の向き、後半()は負の向きに動く。
変位(位置の変化)は、速度の定積分だ。
変位はゼロ。 出発点に戻ってきた。
だが、「まったく動かなかった」わけではない。
実際に動いた距離(道のり)は、速さ( 速度の絶対値)の積分だ。
道のりは 。
「 だけ進んで、 だけ戻った」 — 合計 動いたが、位置は元通り。
この つを混同すると、必ず間違える。
日常でも、同じ区別がある。
家から駅まで往復した。
- 変位: km(家に戻ったから)
- 道のり: km(往復したから)
タクシーの料金は、道のりで決まる。 変位で決まったら、往復は無料になってしまう。
問題文を読むときの鉄則。
- 「変位は?」「位置の変化は?」 → 符号つきで積分
- 「道のりは?」「動いた距離は?」 → 絶対値をつけて積分
- 「面積は?」 → 絶対値(符号を反転させて足す)
そして、絶対値つきの積分を計算するときは、 ステップだ。
① 符号が変わる点を見つける( となる )
② 区間を、その点で分割する
③ 負の区間では、符号を反転させて積分する
この ステップを踏めば、絶対値は怖くない。
「符号を確認する」という、 秒の手間。
それを惜しむと、答えが半分になったり、 になったりする。
別解
答えの が「妥当な大きさか」を、図形で挟み込んで確かめる。
計算ミスを見抜くには、答えの大きさを見積もる目が要る。
上から押さえる。
の山は、幅 、高さ の長方形にすっぽり収まる。
下から押さえる。
山の中に、底辺 、高さ の三角形が収まる(頂点を結んだ形)。
挟み込むと
答えの は、この範囲にきちんと入っている ✓
「大きすぎず、小さすぎず」 — 妥当な値だ。
もう少し踏み込んで、「平均の高さ」を出してみよう。
の山の平均高さは、約 。
最大値 の、およそ 。
これは、三角形の場合の平均()より高い。
なぜか。 の山は、頂上付近が平らで、高いところに長く留まっているからだ。
面積 という値は、この「ふっくらした山の形」を反映している。
そして、対称性を使えば計算が半分で済む。
の山は、 を軸に左右対称だ。
半分だけ計算して、 倍する。 符号のミスも減る。
この「対称性を使う」という発想は、 の山に限らない。
偶関数なら
奇関数なら (計算不要!)
対称性は、計算量を半分に、あるいはゼロにする。
積分を見たら、まず「対称性はないか」を疑う。
この習慣が、時間と正確さの両方を稼いでくれる。
ポイント
- で 。
- 面積 。
よくある間違い
- の代入で符号を誤り、 や という答えを出す。 と、 段ずつ計算する
- 区間を から に広げたときも、同じ要領で積分して と答える。 軸の下の部分は、符号を反転させて足す必要がある
- の原始関数を (マイナスなし)としてしまう。積分は