方針
1−x2 を含むので x=sinθ で置換する。sin2θcos2θ を 2 倍角・半角で 1 次式に直して積分する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 1−x2 を含む積分は、x=sinθ の三角置換が定石。根号が外れる。
x=sinθ(0≤θ≤2π)とすると 1−x2=cosθ、dx=cosθdθ。被積分関数は sin2θcos2θ になる。
これは偶数乗の三角関数だから、2 倍角・半角で1次式に直して積分する。
重要x=sinθ で 1−x2=cosθ。sinθcosθ=21sin2θ
① 三角置換。 x=sinθ(0≤θ≤2π)、dx=cosθdθ、1−x2=cosθ。x:0→1 で θ:0→2π。
∫01x21−x2dx=∫0π/2sin2θ⋅cosθ⋅cosθdθ=∫0π/2sin2θcos2θdθ.
② 次数下げ。 sinθcosθ=21sin2θ より sin2θcos2θ=41sin22θ=41⋅21−cos4θ。
=81∫0π/2(1−cos4θ)dθ.
③ 積分。 ∫0π/2cos4θdθ=[4sin4θ]0π/2=0 より
81∫0π/21dθ=81⋅2π=16π.
まとめ x=sinθ で ∫0π/2sin2θcos2θdθ、半角で 81⋅2π=16π。置換積分(三角置換)と半角の融合。
発展 — 一歩先へ。 ∫01xa(1−x2)bdx 型はベータ関数で書け、∫01x21−x2dx=41B(23,23)=16π。三角置換で出る sin2θcos2θ の積分は、このベータ関数(階乗の連続版=ガンマ関数の比)の特別な場合である。
答x=sinθ(0≤θ≤2π)で置換すると dx=cosθdθ、1−x2=cosθ。∫0π/2sin2θcos2θdθ=41∫0π/2sin22θdθ=41⋅4π=16π。
別解
別解 — 面積の一部として幾何的に見る(得意な人向けの視点)。 ∫01x21−x2dx の値 16π は、単位円 (x=sinθ) 上の量として読める。
三角置換後 ∫0π/2sin2θcos2θdθ で、sin2θcos2θ=41sin22θ=81(1−cos4θ)。だから
∫0π/281(1−cos4θ)dθ=81(2π−0)=16π.
cos4θ の積分が区間 [0,2π](4θ が 0 から 2π、ちょうど1周期)で 0 になるのがポイント。周期関数を1周期積分すると平均だけが残る、という仕組みだ。
2 倍角 sin2θ=2sinθcosθ を使って積をまとめると、次数が下がって「定数 − 周期関数」の形になり、周期部分が消える — 三角関数の積の積分の定番の流れである。
ポイント
- 1−x2 は x=sinθ で根号が外れる。
- sin2θcos2θ=41sin22θ、半角。
- 81⋅2π=16π。
よくある間違い
- 置換後の dx=cosθdθ を忘れ、cosθ が1つ足りない。
- sin2θcos2θ を 2 倍角 41sin22θ に直さず、そのまま積分しようとする。
- 積分区間の対応(x:0→1 が θ:0→2π)を書き換え忘れる。