数学III / 関数と極限
n乗の和の n乗根の極限
問題
とする。極限 を求めよ。
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と 、 が大きいときに和を支配するのはどちらか。支配する項だけで和を上下から見積もると、あとに残る仕事は「 がどこへ行くか」だけになる。
解答・解説
方針
n乗の和は大きい方の項が支配する: a≥b とすると aⁿ ≤ aⁿ+bⁿ ≤ 2aⁿ。1/n 乗してはさむと両端が a と a·2^{1/n} になり、2^{1/n}→1 を二項定理で示せば挟み撃ちが完成する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 乗の世界では、大小の差が爆発的に開く。和 は大きい方の項に支配されるはずだ。
としてよい( なら記号を替えるだけ)。支配項ではさむと で、 乗すれば両端は と 。
残る仕事は の一点だけ。これは二項定理の評価で片づく。
① 支配項ではさむ。 とすると だから
② を示す。 とおくと (二項定理の最初の2項)より
よって 。
③ はさみうちで結論。 両端がともに に収束するから
( の場合は役割を入れ替えて 。 のときも ①の形から で同じ。)
まとめ: 「和は最大項が支配する」— その一言をはさみうちで定量化するのが本問。答えに が現れる極限の代表格で、項が3つ以上( など)でも係数が から項数に変わるだけで同じ論法が通る。
発展 — 一歩先へ。 項を増やしても (係数が から に変わるだけ)。「 乗和の 乗根は最大値を取り出す装置」— この事実は、距離や誤差の測り方を 乗和で定める世界(いわゆる ノルム)で「 の極限が最大値ノルム」という基本定理になっている。
( の大きい方)
別解
対数で「支配」を式にする(数III らしい第2の道)。 対数を取ると、支配の構造が足し算に開かれる。 として
ここで だから
よって対数は に収束し、指数関数の連続性から与式は に収束する。
はさみうち(本解)は素朴で強く、対数ルートは「大きい方をくくり出すと、残りは で御しやすい」という支配項くくり出しの型がそのまま見える。 乗の比較はまず比を作る — この癖は数IIIの至る所で効く。
ポイント
- ()。
- (二項定理で )。
- はさみうちで 。
よくある間違い
- を「明らか」で済ませる。二項定理の評価()か対数か、道具を明示して示す。
- の場合を別扱いし忘れて不安になる(実ははさみの式がそのまま通る。確認の一言を添える)。
- はさむ不等式の向きを混乱する( を使うのは上からの 側)。