数学III / 微分法の応用
x log x の極限と 0 の 0 乗
問題
(1) のとき が成り立つことを示せ。
(2) を示せ。
(3) を求めよ。
ヒントを見る
は、逆数で裏返すと「 とべきの競争」になる。 を のどんなべきで押さえれば、割ったときに0へ向かうか。(3)は指数の肩に(2)がそのまま現れる形に書き替える。
解答・解説
方針
x→+0 の x log x は 0×(−∞) の不定形。t=1/x と裏返すと (log t)/t (t→∞) の形になり、「log はべきより遅い」の定量化 (1) ではさめる。(3)は x^x=e^{x log x} と対数化して(2)を使うだけ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 ()は の不定形だ。 で裏返すと ()。「対数はべきより遅い」という競争の問題になる。
その定量化が(1)の だ。これで割れば とはさめる。
(3)の は と対数化すれば、肩に(2)がそのまま乗っている。
① (1) を示す。 とおくと で
よって は増加し 、すなわち 。
② (2) を示す。 に対し とおくと、(1)より
で だから、はさみうちで 。
③ (3) を求める。 で 。(2)と指数関数の連続性から
まとめ: 「不定形は裏返して log とべきの競争に翻訳 → 評価不等式で定量化 → はさみうち」の3段。 は「0の0乗は1に見える」という有名な現象で、その根拠がこの小問の階段にすべて書かれている。
発展 — 一歩先へ。 タワーを1段増やすと答えが変わる: で だから肩は 、よって 。さらにもう1段の は — 段数の偶奇で と を交互に繰り返す。「不定形は、どの部分がどの速さで動くかで決まる」ことの愉快な実例だ。
(1)(2) 証明 (3)
別解
指数の世界へ引っ越す( の置換)。 の補題の代わりに、最初から指数で書く手もある。()とおくと
「 は よりずっと速い」を定量化する。 を2回使うと
よって
はさみうちで 。(3)は本解と同じく 。
側で押さえる(本解の )か、 側で押さえる()か。「接線不等式 を2乗して2次の評価を作る」小技は、指数がらみの極限で繰り返し使える。
ポイント
- : 、。
- 。
- 。
よくある間違い
- 「 と決まっているから」で(3)を済ませる( の極限の主張と、 の定義の話は別物)。
- で である符号の管理を誤る(絶対値で と正に直すのが安全)。
- (1)の不等式を の外()でも使ってしまう(裏返し で範囲内に収まることを確認)。