数学III / 微分法の応用

減衰振動の極大値の列

最難関編極値無限等比級数

問題

における関数 を考える。

(1) が極大となる をすべて求めよ。

(2) 極大値を大きい方から順に並べた数列が等比数列であることを示し、その公比を求めよ。

(3) 極大値すべての和(無限級数の和)を求めよ。

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の零点と符号は、合成すると読み違えない。極大の位置が等間隔に並ぶとき、そこでの の値はどんな数列になるか — 指数の肩の等差は、値の何に化けるか。

解答・解説

方針

f'=e^{−x}(cosx−sinx) を合成で √2e^{−x}cos(x+π/4) と書くと、零点 x=π/4+nπ と符号の交代が一目になる — 極大は1つおき。極大値は e^{−x} の x が等差で進むため等比になり(指数の等差=値の等比)、総和は無限等比級数の公式で閉じる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 減衰する波 の極値は、微分の零点 から等間隔に並ぶ。ただし極大はその1つおきだ。符号の交代を見誤らないために、合成しておくのが安全になる。

極大値には が効く。 ずつ進むごとに、値は 倍。指数の肩の等差が、値の等比を生む

最後は無限等比級数で総和が閉じる。微分・数列・級数の3連鎖だ。

重要(合成で零点と符号が読める)。極大位置の等差 → 極大値の等比

① 極値の位置((1))。 積の微分と合成で

だから の符号は と同じ。零点は 、すなわち で、符号は正→負→正→…と交互に変わる。正から負に変わる(極大)のは

(負から正に変わる は極小。)

② 極大値の列((2))。 だから、 番目の極大値は

よって は初項 、公比 の等比数列である。

③ 総和((3))。 だから無限等比級数は収束し

xyOM₀M₁
y=e^{−x}sinx。最初の極大(赤点、x=π/4)のあと波は急速に減衰し、次の極大(x=π/4+2π)は e^{−2π}≈0.0019 倍でほぼ見えない — この比が公比

まとめ: 「合成で符号を読む → 位置の等差 → 値の等比 → 級数」の4連鎖。微分・数列・無限級数が1本の関数の上でつながる、数IIIの縮図のような問題だ。公比 — 波は1周期でほとんど消えてしまう。

発展 — 一歩先へ。 振り子や音の減衰でも同じ構造が現れ、隣り合う山の比の対数 (本問の場合)は対数減衰率と呼ばれる実測量になっている。実験で山の高さを2つ測れば減衰の強さが逆算できる — 「指数の等差=値の等比」は物理の測定原理でもある。

(1) () (2) 公比 (3)

別解

極大点の乗る「包絡線」を先に描く(構造が目に見える)。 極大値をひとつずつ計算する前に、極大点がどんな曲線に乗るかを見てしまう。

極大の位置では (①より )だから、極大点はすべて曲線

の上にある。減衰振動の山々は、この指数曲線(包絡線)を等間隔 でサンプリングしたものだ。

指数関数を等間隔に読むと値は等比になる()。公比 も、初項 も、この1本の曲線から読み取れて、(2)(3)は「指数曲線上の等比サンプル」の一言に要約される。

隣接比 ( の値は共通で約分)という直接計算を添えれば、答案としても完結する。

ポイント

  • 、極大は
  • (指数の等差→値の等比)。
  • 総和

よくある間違い

  • の解 を全部極大とする(1つおきに極小。合成 の符号交代で判定)。
  • の値を ごとに計算し直して混乱する(周期 で全部 )。
  • (3)で収束条件 に触れずに無限等比級数の公式を使う。