数学III / 微分法の応用
(1+1/x)^x が増加すること
問題
で定義された関数 は増加することを示せ。
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指数に変数が乗る関数は、対数を取ってから微分する。導関数の符号がすぐには読めない形になったら — それ自体を「示すべき補題」として切り出し、置き換えで1変数の不等式に直せないか。
解答・解説
方針
累乗の形のままでは微分できないので対数を取り、g(x)=x log(1+1/x) の増加を示す。g' の符号は、t=1/x とおくと「log(1+t) > t/(1+t)」という1変数の不等式そのもの — この補題を差の微分で先に用意しておく2段構え。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の定義でおなじみの の関数版だ。累乗のままでは扱えないから、対数を取って の増加を示す方針にする。
微分すると 。符号が即読できない。
そこで と置き換えると、示すべきは ()という1変数の補題になる。補題を先に微分で潰してから本体に戻る、2段構えの設計だ。
① 対数を取って微分する。 。積の微分で
② 補題を示す。 ()とおくと で
よって で 、すなわち 。
③ 本体に戻す。 を補題に代入すると
よって — は増加し、 も( が増加関数だから)増加する。
まとめ: 「対数を取って微分 → 現れた不等式を補題に切り出して先に潰す」— 単調性証明の職人的な段取り。この事実は、数列 が単調に に迫っていくことの関数版でもある。
発展 — 一歩先へ。 相方の は逆に減少することが同じ道具で示せる。増加する と減少する は、どちらも に収束し、 を両側から挟む: 。 の近似値を上下から保証するこの挟み撃ちは、 が無理数であることの証明などの土台になる。
証明( を微分し、補題 ()に帰着させる)
別解
平均値の定理で一撃(補題が消える)。 の第1項を、平均値の定理で読み替える。
に区間 で平均値の定理を使うと、ある ()があって
左辺は そのもの。そして だから
これで が即座に出る。補題の構築(本解の②)がまるごと不要になった。
「 の差は ( は間のどこか)」という平均値の定理の使い方は、対数のからむ不等式の万能ナイフだ。本解の補題 は、実はこの の言い換えだったことも見えてくる。
ポイント
- の符号が焦点。
- 補題 を で。
- 代入で → 増加。
よくある間違い
- 対数を取らずに を直接微分しようとして詰まる(指数に変数が乗る形は対数微分)。
- の第2項で合成関数の微分()の符号を落とす。
- 補題の不等号の向きを逆に使う( は より大きい。 より小さい、と混線しやすい)。