数学III / 微分法の応用
e^π と π^e の大小
問題
と の大小を比較せよ。
ヒントを見る
指数どうしの比較は対数から。出てきた2つの量を「同じ関数に2つの値を代入したもの」と見られる形に整えられないか — その関数の増減が答えを決める。
解答・解説
方針
両方とも巨大で直接は比べられない。対数を取って πloge と elogπ の比較にし、さらに両辺を eπ で割ると (loge)/e と (logπ)/π — 同じ関数 f(x)=logx/x の2点の値比べに翻訳される。f の増減を微分で調べれば決着する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 どちらも巨大な数で、直接計算は不可能だ。累乗の比較は対数が定石で、 と の比較になる。
ここで両辺を で割ると、 と 。同じ関数 の、 と での値比べに化けた。
あとは の増減表だけの話だ。比較問題は「共通の関数を自分で設計する」のが急所になる。
① 対数化して翻訳する。 どちらも正だから
② の増減。
よって で — は で減少する( で最大値 )。
③ 結論。 で、 は 上で減少するから
まとめ: 「比較したい2数から共通の関数をあぶり出す」— 本問なら 。この関数は で最大になるので、 をまたぐ比較( と の食い違いなど)もすべてこの1本のグラフの上で説明がつく。
発展 — 一歩先へ。 の山(頂上 )は、整数の比較も一望にする。(つまり )、 が整数で最大(つまり は で最大、)。「 と の大小は、 が のどちら側かで決まる」— 1本の曲線が比較問題の地図になる。
別解
接線不等式で3行(グラフを描かない最短路)。 (。 の での接線より上)だけで落ちる。
を代入すると
(左の式に を1回掛けた。)両辺は正だから 乗しても大小は保たれ
増減表もグラフも要らない、3行の証明だ。
本解の は「この型の比較全部を1本のグラフで見渡す」広角レンズ、接線不等式は「この1問を最速で射抜く」単発の矢。( と同じもの)がどれほど万能な部品か、この2問(本問と相加相乗)で体感できる。
ポイント
- 対数化 → vs 。
- は で減少()。
- より 。
よくある間違い
- 、 という近似値の比較で「証明」とする(数値は検算にはなるが証明にならない)。
- 対数を取った比較が同値である根拠( が増加関数)を書かない。
- を「全域で減少」と誤る( では増加。 が両方とも山の右側にあることが効く)。