数学III / 微分法の応用

原点を通る接線

★★ 標準接線

問題

曲線 の接線のうち、原点 を通るものの方程式を求めよ。

ヒントを見る

原点は曲線上にない。接点の 座標を文字でおいて接線を作り、原点を通る条件で文字を決める、の順で攻める。

解答・解説

方針

接点を とおく。そこでの接線を作り、それが原点を通る条件から を決める。原点は曲線上にないので、接点を文字でおくのがカギ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 原点 の上にない()。曲線外の点から引く接線 — 接点を文字でおく型だ。

接点を とおく。そこでの接線は、傾き

これが原点を通る条件 から 。接点 、接線 が決まる。

重要曲線上にない点を通る接線は、接点 を文字でおいて を決める

① 接点をおき、接線を作る。 接点 、傾き

② 原点を通る条件を書く。 を代入。

③ 接線を書く。 を戻す。傾き

xyO接点(e,1)
y=log x の原点を通る接線 y=x/e(接点(e,1))

まとめ:「曲線の外の点(原点)から接線」は、接点 を文字でおくのが決め手。原点を通る条件で の方程式を作ると 。接点 での接線 が求まる。

発展 — 一歩先へ。 接線 は、原点から に引ける唯一の接線だ( の解が つだけだから)。この直線より傾きの大きい原点通過直線は曲線と 回交わり、小さければ 回 — は「交わり方の境目」で、方程式 の解の個数問題( が境界)の答えを先取りしている。

鏡像の 側では、これが「 の解の個数は が境目」という有名問題になる。 の大小比較も同じ山( での最大)につながる — 原点からの接線 本が、指数対数の入試問題の分水嶺なのだ。

(接点は )

別解

兄弟問題「 の接線で原点を通るもの」を知っていると、この答えは鏡で映すだけで出る。

側を先に解くと: 接点 の接線 が原点を通る条件は 、つまり 。接線は (接点 )。

ここで は互いに逆関数 — グラフは直線 について鏡写しだ。鏡写しの世界では、接線は接線に、原点は原点(直線 上の点だから動かない)に移る。

だから で折り返した直線が答え。折り返しは の交換だから

接点 に移る — 直接計算の結果と完全に一致する。

「指数の問題と対数の問題は の鏡で対」— 片方を解けばもう片方はただ。計算の照合にも、片方しか思い出せないときの復元にも使える対称性である。

ポイント

  • 接点を とおく(原点は接点でない)。
  • 通る条件で を決める。

よくある間違い

  • 原点を接点だと思い込み を計算しようとする( は定義域外ですらない)
  • 接線の式に接点の座標 でなく一般の を混在させて式が壊れる
  • から とする( の定義: )