数学III / 微分法の応用
グラフの概形(漸近線つき)
問題
関数 の極値と漸近線を求め、グラフの概形を述べよ。
ヒントを見る
極値は から。漸近線は 種類あり、『 をどこに近づけると発散するか』と『 を大きくすると何に近づくか』をそれぞれ調べる。
解答・解説
方針
で極値を、漸近線は「 での縦の漸近線」と「 での近づく直線」を調べる。 なので は直線 に近づく。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 グラフの概形は「極値」と「漸近線」の 点セットで決まる。
極値は から 。
漸近線は 方向を調べる。 では が暴れて — 縦の漸近線 。 では で、 は直線 にすり寄る — 斜めの漸近線だ。
「関数 主要部() 消える部分()」と分けて読むのが漸近線の目である。
① 極値を求める。 。 は 。
- :負→正 で極小。。
- :正→負 で極大。。
② 縦の漸近線。 で 。よって が漸近線。
③ 斜めの漸近線。 で なので 。よって直線 が漸近線。
まとめ:分数を含む関数のグラフは「極値 + 漸近線」で形が決まる。縦の漸近線は分母 、斜めの漸近線は で消える項()を落とした残り。極大値 < 極小値 という不思議な大小は、 つの枝が離れているためだ。
発展 — 一歩先へ。 この曲線、実は双曲線である。 回転すると標準形の双曲線に一致し、 本の漸近線( と )がその証拠だ。数Cの 次曲線とつながっている。
「主要部 消える部分」の分解は一般の分数関数で使える。 を割り算して と読む、 なら で斜め漸近線 — 分子を分母で割った商が漸近線、余りが消える部分。多項式の割り算がグラフの読解術になる。
極大値 ()、極小値 ()、漸近線 と
別解
極値の値 は、微分を使わず相加相乗平均で出せる。
のとき、正の 数 と に相加相乗平均の関係を使うと
等号は 、つまり のとき。右半分の谷底が だと、不等式だけで確定した。
左半分は対称性で済む。 は奇関数(原点対称)だから、右の谷 を原点対称に映した が左の山頂 — 極大値 である。
微分ルートとの照合で答えは二重に固まる。さらに「積 が一定 → 和は 数が等しいとき最小」という相加相乗の設計原理が見えると、(最小 )などの親戚問題も微分なしで即答できる。
ポイント
- 漸近線は「分母 の縦」と「 で近づく直線」。
- 極大値()< 極小値()もありうる(枝が分かれる)。
よくある間違い
- 「極大値 が極小値 より小さい」ことに混乱する(別々の枝の話で矛盾しない)
- 相加相乗を にそのまま使う(負の数には適用できない。対称性で映す)
- に近づくことを「交わる」と誤解する(差 は にならない)