数学III / 微分法の応用

変曲点(eˉˣ²)

★★ 標準変曲点

問題

関数 の変曲点の 座標を求めよ。

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変曲点は の符号が変わる点。 を出してから、もう 回微分する。指数部分は常に正なので、多項式部分の符号だけが問題になる。

解答・解説

方針

を順に求める。合成関数と積の微分を使う。 を解き、符号が変わることを確認する。この曲線は正規分布でおなじみの釣鐘型。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 変曲点は「曲がり方(凹凸)が切り替わる点」— 道具は第 次導関数だ。 を解き、その前後で の符号が変わることを確かめる。

は合成関数。 回目の微分で 回目は積 合成で

だから、符号は だけで決まる。 — 釣鐘の左右の「肩」の位置である。

定理変曲点は かつ前後で符号が変わる点

を求める。 合成関数。

を求める。 積の微分。

を解く。 なので

(

xyO変曲点
y=e^{-x^2}(釣鐘型)。変曲点 x=±1/√2≈±0.71
前後で の符号が変わるので、確かに変曲点。)

まとめ: は釣鐘型(正規分布の形)。変曲点は か所で、ここで曲がり方が「上に凸 → 下に凸」に切りかわる。 を合成 + 積の微分で正確に出すのがヤマだ。

発展 — 一歩先へ。 変曲点の意味を運転にたとえると「ハンドルを切り返す瞬間」。山頂からの下り坂は、最初は緩み(上に凸)、肩を過ぎると裾へ向けて曲がりが反転する(下に凸)— スキーのコブの形と同じだ。傾き が最も急になる場所でもある(下りの最急点 変曲点)。

この曲線 はガウス関数と呼ばれ、確率だけでなく熱の拡散・画像のぼかし処理・誤差理論まで、「散らばり」を記述するあらゆる場面の主役。その形の要点が の肩の位置、というのが今回の計算だった。

別解

この釣鐘、統計の正規分布の曲線そのものだ。答えの にも統計の名前がついている。

正規分布の密度曲線は の形( は標準偏差)。今回の と指数を見比べると

つまり は「標準偏差 の釣鐘」で、変曲点 ちょうど の位置にある。

これは偶然ではない。どんな正規分布でも、変曲点は平均から — 「釣鐘の肩(凸から凹に変わる場所)までの距離が標準偏差」という一般法則だ。数Bで が入ると習ったあの目盛りは、実は曲線の曲がり方の切り替え点として、グラフに目で見える形で刻まれている。

微分の計算が、統計の中心概念の幾何学的な意味を照らす — 単元をまたぐ良い眺めである。

ポイント

  • 釣鐘型の変曲点は

よくある間違い

  • 回目の微分で積の公式を使わず とする
  • を解くだけで、前後の符号変化(凹凸の切り替え)の確認を書かない
  • 変曲点と極値( の山頂)を混同する