数学III / 微分法の応用
変曲点と点対称
問題
関数 の変曲点を求め、グラフがその点に関して点対称であることを述べよ。
ヒントを見る
変曲点は から。点対称の証明は、変曲点から左右に同じだけ離れた 点での値の平均が、変曲点の値になることを式で示せばよい。
解答・解説
方針
から変曲点を求める。 次関数のグラフは、変曲点に関して必ず点対称(奇関数的対称性)になる。これを で確認する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 次関数のグラフは、変曲点に関して必ず点対称になる。
まず から変曲点を求める。
次に、その点を中心に対称であることを式で確かめる。 が成り立つかを見る。
「 次関数の対称の中心は変曲点」という構造を、計算で検証する。
① 変曲点を求める。 、。 は 。前後で符号が変わる(変曲点)。。
② 点対称を確認する。 変曲点 に関して点対称なら、 と での値の平均が になるはず()。
で計算すると
(実際、 次の項と 次の項の の奇数乗が打ち消し合う。)よって に関して点対称。
まとめ: 次関数のグラフは、変曲点を中心に 回すと自分自身に重なる(点対称)。変曲点は の点で、 の係数と の係数から でも出る(ここでは )。
発展 — 一歩先へ。 この点対称は、 次関数すべてに共通の性質だ。一般の でも、 から変曲点の 座標は で、グラフはこの点に関して点対称になる。変曲点で横にずらすと の項が消え、奇関数に定数を足した形になるからだ。
この対称の中心 には、もう一つの意味がある。 次方程式の解の和は (解と係数の関係)だから、その平均が 。つまり変曲点の 座標は「 つの解の平均」でもある。
いまの なら、 解は と 。平均は で、変曲点の 座標にぴったり一致する。対称の中心が解のまん中にくる、と見ると腑に落ちる。
変曲点 。グラフはこの点に関して点対称
別解
別解 — 変曲点を原点に移して奇関数にする(得意な人向けの視点)。 点対称を、平行移動で「奇関数のグラフ」に帰着させる。
変曲点は 。そこで と横にずらす()。 を代入すると
右辺 は奇関数( を に変えると符号が反転する)。奇関数のグラフは原点対称だ。
原点は - 座標での変曲点、つまりもとの 。だから、もとのグラフは に関して点対称。 を直接計算する本解と同じ結論を、「ずらすと奇関数」の一言で言い切れる。
ポイント
- 次関数は変曲点に関して点対称。
- 変曲点は の点。
よくある間違い
- 変曲点を極値と混同し、 ではなく から求めてしまう。
- の だけで即断し、前後で凹凸(符号)が変わる確認を省く。
- 点対称( 回転で重なる)を線対称(左右反転)と混同する( 次関数は線対称ではない)。