数学III / 微分法の計算

合成関数の微分(対数)

★ 基礎合成関数の微分対数関数の微分

問題

関数 を微分せよ。

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対数の微分は『中身の微分 ÷ 中身』の形になる。中身が 次式なので分子は定数。

解答・解説

方針

。分子が内側の微分、分母が中身そのもの。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 は、 の中に が入った合成関数だ。

連鎖律を当てはめる。

外側: だから

内側:

掛ける。

この形を、公式として覚えておくと速い。

「中身の微分 中身」

分子に内側の微分、分母に中身そのもの。 きれいな形だ。

この公式は、応用範囲が広い。

「中身の微分を、中身で割る」だけで、どんな対数も微分できる。

公式(中身の微分 ÷ 中身)

まとめ: の微分は が、 に一般化された形だ。分子に内側の微分がくる。

発展 — 一歩先へ。 という式には、経済学でおなじみの意味がある。

この を、対数微分または成長率という。

なぜ「成長率」なのか。

「今の量に対して、何割増えているか」 — つまり変化率をパーセントで測ったものだ。

具体例で見よう。

売上が 万円のとき、 年で 万円増えた。 成長率は

売上が 万円のとき、 万円増えた。 成長率は

同じ「 万円増」でも、意味がまるで違う。

規模が違うものを比べるには、絶対量()ではなく、相対量()を見なければならない。

そして、この相対量こそが「 の微分」なのである。

「対数をとって微分すると、成長率が出る」

だから、経済のグラフは対数目盛りで描かれることが多い。

株価のチャートを、対数目盛りで見ると。

  • 直線に見える一定の成長率(毎年 ずつ)
  • 傾きが急成長率が高い

通常目盛りだと、価格が高くなるほどグラフが急に見えて、成長率の比較ができない。

対数目盛りなら、「 円 → 円」と「 円 → 円」が、同じ高さの上昇として描かれる。 どちらも 倍だからだ。

さらに、対数微分は積を分解する。

両辺を微分すると

「積の成長率は、成長率の和」

売上 客数 単価 なら

客数が 増、単価が 増なら、売上は約 増。

掛け算の関係が、足し算で扱えるようになる。

これがビジネスの現場で「対数」が使われる理由だ。

という 行の公式が、成長率という概念の数学的な定義になっている。

別解

置き換えを明示して、連鎖律を"分数の約分"として見る。

内側を、独立した文字で置く。

すると、もとの関数は 段に分かれる。

それぞれを、独立に微分する。

連鎖律を、ライプニッツの記法で書く。

最後に、 を戻す。

本解と同じ ✓

この記法の美しさを、見てほしい。

が、分数のように約分されて消える。

もちろん、 は本当の数ではないので、厳密には「約分」ではない。 それでも、この形に書くと連鎖律を絶対に忘れない。

ライプニッツ()は、この記法を意図的に設計した。

「記号がうまくできていれば、記号のほうが考えてくれる」 — これが彼の哲学だった。

同時代のニュートンは、微分を (ドット)で書いた。 こちらは簡潔だが、連鎖律が見えない。

どちらの記法も正しい。だが、 のほうが圧倒的に使いやすかった。

結果、大陸ヨーロッパの数学は 世紀に飛躍し、ニュートン記法にこだわったイギリスの数学は 年遅れたと言われる。

記号の設計が、学問の速度を変えた。

段階の合成なら、こう書ける。

どんなに深い入れ子でも、鎖のようにつないでいけばいい。

「何が何の関数か」を見失いそうになったら、この記法で書き出す。 迷子にならない道しるべになる。

ポイント

  • 分子が中身の微分、分母が中身。

よくある間違い

  • 内側の微分()を忘れて とする。 の分子を落とさない
  • と展開してしまう。対数の性質は で、和の中身は分解できない
  • 分子の を分母に入れて としてしまう。内側の微分は分子に掛かる