入試過去問 / 京都大学 2026年度 数学(理系)

第3問 2の累乗を指数にもつ多項式の差と、係数を割る2の累乗

二項定理整数数学的帰納法

出典京都大学 令和8年度 一般選抜 数学(理系) 第3問

問題文は京都大学が公表した試験問題からの引用です。解答・解説はtelvia演習ラボが作成したもので、京都大学が公表したものではありません。

問題

は正の整数とする.整数係数の多項式

のすべての係数が で割り切れるような正の整数 のうち,最大のものは であることを示せ.

(35 点)

(試験時の補足説明)ただし, は の 乗を表す. は の 乗を表す. は の 乗を表す.

ヒントを見る

は を何乗したものか。 と の差を見て、2乗するたびに差がどう変わるかを考えられるか。最大であることは、1つの係数を見れば分かる。

解答・解説

方針

、 とおくと 、。 なら2乗どうしの差は の倍数になることを使って帰納法で示し、 の係数 で最大であることを確かめる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) は を 乗したもの、 は を 乗したものだ。 なので、2つの多項式のもとの違いは の分だけである。2乗をくり返すたびに、差がどれだけ で割れるようになるかを追えば、帰納法で示せる。

最大であることは、 で割り切れない係数を1つ見つければよい。 の係数が最も調べやすい。

① 記号の準備。 、 とおく。指数が 倍になるので

である。以下、「多項式 のすべての係数が で割り切れる」ことを「 は の倍数」と言う。

② 帰納法で、 が の倍数であることを示す。 のとき

で、 の倍数である。

のとき、( は整数係数の多項式)と書けたとする。このとき

なので、右辺は の倍数である。よって、すべての正の整数 について は の倍数になる。

③ では割り切れない係数がある。 の係数を見る。

定理二項定理 の の係数は

の の係数は である。 は だけの多項式なので、 の係数は だ。よって の の係数は で、 では割り切れない。

②と③より、すべての係数が で割り切れるような正の整数 のうち、最大のものは である。

まとめ: と の差は で、 の倍数だ。2乗するたびに差の の指数が1つずつ増える。最大であることは の係数 で確かめた。

発展。 ② の式変形は「 なら 」という性質を、多項式に使ったものである。整数に使うと、たとえば奇数 について から 、一般に が順に出る。

答

解答を参照(証明)

別解

別解:二項定理で差を展開し、各項が で割れる回数を数える。 とおく。 を二項定理で展開すると

各項の係数が で割り切れることを示せばよい。 と書く。 より

右辺は の倍数で、 には が 個しか含まれないので、 は の倍数である。したがって は の倍数で、 だから となる。

この評価で指数が にとどまるのは 、つまり の項だけで、ほかの項は の倍数である。 の項が の係数 を生み、最大であることの理由にもなっている。

ポイント

  • 、。 なら は の倍数。
  • では 。
  • の係数は なので、 ではすべての係数を割り切れない。

よくある間違い

  • すべての係数が で割り切れることだけを示し、 では割り切れない係数があること(最大であること)を示し忘れる。
  • 帰納法の式変形で の項の指数を確かめず、全体が の倍数になる理由を書き落とす。
  • 二項係数 が偶数であることだけを使い、 で何回割り切れるかまで評価しないまま結論を書く。