入試過去問 / 京都大学 2026年度 数学(理系)
第2問 正四面体の辺上の点を中心とする球面と、向かいの辺
出典京都大学 令和8年度 一般選抜 数学(理系) 第2問
問題文は京都大学が公表した試験問題からの引用です。解答・解説はtelvia演習ラボが作成したもので、京都大学が公表したものではありません。
問題
は正の実数とする. 辺の長さが の正四面体 において,辺 上に点 をとる.点 が辺 上のどこにあっても,点 を中心とする半径 の球面が,辺 と共有点をもたないような の範囲を求めよ.ただし,点 , は辺 に含まれ,点 , は辺 に含まれるとする.
(30 点)
ヒントを見る
を1つ固定すると、 から辺 上の点までの距離はある範囲を動く。その最小と最大を、正四面体の対称性から求められるか。「共有点をもたない」には2つの場合があることにも注意する。
解答・解説
方針
を固定すると、辺 上の点までの距離は ( は の中点)から までのすべての値をとる。 で2つの長さを表し、 を動かしたとき、 がどの区間にも入らない条件を求める。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) 点 を1つ固定すると、 から辺 上の点までの距離は、ある最小値から最大値までのすべての値をとる。球面が辺 と共有点をもつのは、半径 がこの範囲に入るときだ。 を動かしながら、この範囲がどう変わるかを調べる。
正四面体は辺 と辺 の中点を通る平面について対称なので、 になる。これで最小と最大がすぐに分かる。
① を固定したときの距離の範囲。 辺 上の点 を から まで動かすと、 は連続的に変わるので、最小値 から最大値 までのすべての値をとる。したがって、球面が辺 と共有点をもつのは のときである。
② 対称性で を求める。 辺 の中点を とする。正四面体は平面 について対称で、この対称移動は と を入れかえ、辺 上の点は動かさない。よって で、三角形 は二等辺三角形になる。
二等辺三角形では、頂点から底辺の中点に引いた線分が底辺に垂直なので、辺 上で に最も近い点は 、最も遠い点は端の (と )である。
③ 長さを で表す。 ()とする。
は、三角形 で 、 なので、余弦定理より
は三角形 で考える。 は1辺 の正三角形の高さで、どちらも だ。三角形 は の二等辺三角形なので、 から に下ろした垂線の足は の中点 で
と の距離は なので、三平方の定理より
④ 範囲を比べる。 で
で、どの でも が成り立つ。
⑤ 条件を満たす 。 求める条件は、どの についても が区間 に入らないことだ。これらの区間はどれも を含むので、 を動かしたときの区間を全部合わせると、1つの区間
になる。左端の最小は のとき、右端の最大は のときである。 がこの区間に入らないことが条件なので
まとめ: を固定して、辺 までの距離の最小と最大を対称性で求めた。 が小さすぎると球面は辺 に届かず、大きすぎると辺 全体が球面の内側に入る。どちらの場合も共有点はない。
発展。 は正四面体の向かい合う2辺(ねじれの位置にある2直線)の距離で、2辺の中点を結ぶ線分の長さに等しい。1辺 の正四面体は1辺 の立方体に埋め込むことができ、向かい合う2辺は立方体の向かい合う面の対角線になる。だから2辺の距離は立方体の1辺 に等しい。
、
別解
別解:座標で、距離を2つの変数の式にする。 、、、 とおく(どの辺の長さも になることが確かめられる)。
()、辺 上の点を とし、()とすると
が 、 を動くと、 は最小値 ()から最大値 (4つの角)までのすべての値をとる。条件は「どの についても、どの でも 」なので、 がこの範囲に入らないこと、つまり または で、本解と同じ答えになる。式が と について同じ形をしていて、2つの辺の役割が対等であることも分かる。
ポイント
- 球面が線分と共有点をもつ (中心から線分への距離の最小)(最大)。
- 対称性から 。最小は中点 までの距離、最大は端点までの距離。
- 、。区間を合わせると 。
よくある間違い
- 「共有点をもたない」を の場合だけと考え、辺 全体が球面の内側に入る の場合を落とす。
- を の中点だけで調べ、 または と答えてしまう。 が端にあると は まで大きくなる。
- 端の値 を含めてしまう。そのときは を中点または端にとると共有点ができる。