入試過去問 / 大阪大学 2026年度 数学(理系)
第4問 区間が縮んでいく定積分の極限
出典大阪大学 令和8年度 前期 数学(理系) 第4問
問題文は大阪大学が公表した試験問題からの引用です。解答・解説はtelvia演習ラボが作成したもので、大阪大学が公表したものではありません。
問題
実数 に対して とする.ただし, は自然対数の底である.
(1) のとき,不等式 が成り立つことを示せ.
(2) をみたす実数 に対して
とするとき, を求めよ.
(配点率 20 %)
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(1) の左側は、差をとって微分すると符号が分かる。(2) は区間も分母も で縮む。 とおいて区間を から に固定すると、 はどこに残るか。
解答・解説
方針
(1) は を微分して増加を示す。(2) は (1) の不等式で を と ではさみ、 と置換して区間を に固定する。はさんだ両側の積分が同じ値に近づくことを示す。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) (1) は、差の関数をつくって微分し、増減で符号を調べる、よくある形だ。
(2) は、 で積分区間は縮むが、分母 も小さくなるので、積分が に近づくとは限らない。そこで と置きかえて区間を から に固定する。 は (1) で と にはさめるので、はさみうちで極限が求まる。
① (1) 右側の不等式。 で 、 なので、。
② (1) 左側の不等式。 とおくと で
とおくと 、 なので、。よって で、 は増加し、。すなわち である。
③ (2) 積分をはさむ。 では なので、(1) の不等式にこれを掛けて積分できる。
④ 右辺を計算する。 とおくと 、 は に対応する。
が消えて、 によらない値になる。
は と置換すると( は )、、 なので
よって 。
⑤ 左辺と右辺の差。 左辺は である。同じ置換で
では なので、被積分関数は 以下で、この積分は 以下である。したがって
で左辺も に近づくので
まとめ:区間と分母が一緒に縮む積分は、 と置いて区間を固定すると の役割が見える。 を (1) の不等式ではさむと、上からの積分は によらない値になり、下からの積分との差は 以下になる。
発展。 では が の近くの値しか使われないので、極限は に等しくなる。 を で連続な別の関数に取りかえても、極限は になる。重み が、区間の幅によらず一定の「総量」をもつことがこの計算の背景にある。
(1) 解答を参照(証明) (2)
別解
別解:(2) を、 が減少することを使ってはさむ。 は で 以下なので、 はこの区間で減少する。したがって では
重み を掛けて積分すると、本解の を使って
で なので、。(1) の左側の不等式を使わずに、 の連続性と増減だけで同じ結果が得られる。
ポイント
- の導関数は 。
- で区間を に固定すると、 は によらない。
- 下からの積分との差は 以下になり、はさみうちで極限は 。
よくある間違い
- 積分区間が に縮むから と考えてしまう。分母 も に近づくので、被積分関数は大きくなる。
- の置換で の を掛け忘れ、極限を や と誤る。
- を置換 で計算するとき、区間の対応( が )を書き忘れる。