入試過去問 / 大阪大学 2026年度 数学(理系)

第3問 単位円上の複素数が満たす方程式の解の個数

複素数平面共役複素数円と直線

出典大阪大学 令和8年度 前期 数学(理系) 第3問

問題文は大阪大学が公表した試験問題からの引用です。解答・解説はtelvia演習ラボが作成したもので、大阪大学が公表したものではありません。

問題

を実数とし,複素数 に対して

とする.ただし, は虚数単位, は と共役な複素数である.

(1) は実数であることを示せ.

(2) 実数 に対して, かつ

となるような複素数 の個数を とする. を求めよ.

(配点率 20 %)

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は とどんな関係にあるか。(2) は とおくと は の1次式になる。方程式は の2次方程式として因数分解できないか。

解答・解説

方針

(1) は とおくと 。(2) は として 、 を求め、方程式を と因数分解する。単位円と2本の平行な直線の共有点の個数を、 で場合分けして数える。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) (1) は、 が の共役複素数になっていることに気づけばよい。ある複素数とその共役の和は実数である。

(2) は とおくと、 は という実数の1次式になる。すると方程式は についての2次方程式になり、因数分解できる。単位円と直線の共有点を数える問題に変わる。

① (1) 共役の和で書く。 とおくと、 は実数なので 。したがって

で、これは の実部に等しく、実数である。

② (2) を で表す。 ( は実数)とおくと

なので、 である。特に ()では になる。

③ 方程式を因数分解する。 とおくと、方程式は

よって、 で または を満たす を数えればよい。

④ 単位円と直線の共有点。 直線 と原点の距離は なので、単位円 との共有点は、この距離が より小さければ 個、 なら 個、 より大きければ 個である。

  • 直線 :距離は なので、いつも 個。この直線は点 、つまり を通る。
  • 直線 :距離は で、 なら 個、 なら 個、 なら 個。

⑤ 2本の直線が重なる場合。 2本の直線はどちらも の形で平行だ。定数が等しい のときだけ同じ直線になり、共有点は合わせて 個。それ以外では2本は交わらないので、共有点の個数はそのまま足せる。

xyOi
a=2.5 のとき。単位円と2本の平行な直線 x+ay=2(赤)・x+ay=a(青)の交点(合わせて4個)が、条件を満たす z。直線 x+ay=a はいつも点 i を通る

⑥ まとめて答える。

まとめ: は複素数とその共役の和の半分なので実数になる。(2) は として方程式を因数分解し、単位円と2本の平行な直線の共有点を数えた。2本の直線が重なる を見落とさない。

発展。 は に を掛けて(原点のまわりに回して 倍して)実部をとったものである。 のとき、 は 以上 以下の値をとり、両端の値は1回、途中の値は2回ずつとる。この見方を使うと、個数の数え方がさらに短くなる(別解)。

答

( または )、()、( かつ )

別解

別解: がとる値の範囲から数える。 のとき、 とおくと

( は で決まる角)と合成できる。 が を1周すると、 は 以上 以下の値をとり、端の値は1回、途中の値は2回ずつとる。

方程式は または 。 なので値 はいつも途中の値で、 回。値 は、()なら 回、 なら 回、それ以外は 回。 のときは2つの値が同じなので、重ねて数えない。こうして本解と同じ が得られる。

ポイント

  • なので、 は の実部。
  • 、 で、方程式は 。
  • 単位円と平行な2直線の共有点を数える。 では2直線が一致する。

よくある間違い

  • のとき2本の直線が一致することを見落とし、 と答える。
  • で直線 が円に接する場合(1個)を、交わらないか2個と数え間違える。
  • を複素数のまま扱い、 が実数になることを使わずに方程式を複雑にしてしまう。