共通テスト数学の対策 — 速さ・誘導・読解の3つで差がつく

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日

共通テストの数学は、記述式の入試とは別の競技です。問題は誘導つきの穴埋めで、1問1問の難しさより「70分(数学I・A)または70分(数学II・B・C)で全部を回しきる」速さと、誘導の読み取りが点を決めます。この記事では、共通テストの数学で実際に差がつく3つの技術と、このサイトの問題をどう使えば対策になるかを説明します。

差がつくのは「速さ」「誘導」「読解」

まず速さです。共通テストの数学は、分量に対して時間が短く、全問を解こうとすると1つの大問に15分前後しかかけられません。基礎(★)と標準(★★)の問題を、答えを見ずに一気に解ききる練習が、そのまま速さの練習になります。このサイトの単元ページの難易度フィルタで基礎と標準だけを表示し、時間を計って解いてください。目安は、基礎12問を30分、標準12問を45分です。

次に誘導です。共通テストの大問は、小問が階段のようにつながっていて、前の小問の結果を次で使います。「なぜこの小問がここにあるのか」を読めると、次の一手が見えます。このサイトの解説は、「⓪ 発想」で最初の一手の理由を、「①②③」で段階を分けて書いてあるので、自分で解いたあとに「この段階分けが共通テストの小問の分け方と同じだ」という目で読み直してください。

最後に読解です。共通テストは、会話文や日常の場面を題材にした長い問題文が特徴です。数学的な条件が文章の中に埋め込まれているので、条件を式に直す前に「何が与えられていて、何を求めるか」を書き出す習慣が要ります。文章題(2次関数の面積の最大、1次不等式の個数と代金、確率の期待値による判断など)を多めに解いてください。

科目ごとの重点

数学I・Aでは、データの分析と確率が安定して出題され、配点も大きい分野です。データの分析は、箱ひげ図やヒストグラムの読み取りで「正しい記述を選ぶ」形式が多く、定義(四分位数・分散・相関係数)を正確に覚えていれば確実に取れます。データの分析の基礎と標準を、定義を口で言えるまで繰り返してください。確率は、条件付き確率と期待値が頻出で、確率の標準までを確実にします。図形の性質と整数は選択問題として出ることがあり、志望校の要求に合わせて準備します。

数学II・B・Cでは、三角関数・指数対数・微積分が数学IIの中心で、数列と統計的な推測(数学B)、ベクトル(数学C)から選択します。統計的な推測は、正規分布表の読み方と信頼区間の式を押さえれば計算量が少なく、統計的な推測の基礎と標準で十分に対応できます。数列は漸化式と和の計算が中心で、数列漸化式の標準までを目標にしてください。

時間配分の作り方

過去問や模試を解くとき、最初の1回は時間を気にせず全部解き、2回目から時間を計ります。大問ごとに「かかった時間」と「取れた点」を記録すると、自分がどの大問で時間を使いすぎているかがわかります。多くの人は、序盤の大問で丁寧にやりすぎて、終盤の大問に時間が残りません。

対策は、「1つの小問で3分止まったら次に進む」というルールを決めることです。共通テストは、後半の小問が解けなくても、前半の小問で部分点が取れる構成になっています。解けない小問に固執するより、全大問の前半を確実に取るほうが、合計点は高くなります。

このサイトでの対策の順序

1つ目、各単元の基礎12問を、時間を計って解く。目安を超えた単元は、その単元の解説の「⓪ 発想」を読み直して、最初の一手を速くします。

2つ目、標準12問を同じように解く。ここで止まる型があれば、その型の基礎に戻ります。つまずきマップに、症状別の戻り先を一覧にしてあります。

3つ目、応用(★★★)の中で、文章題と「誘導つき」の構造をもつ問題(場合分けの結果をさらに扱う問題、面積の最小値など)を解く。共通テストの最後の小問は、この程度の難しさです。

4つ目、過去問と模試で時間配分を作る。このサイトの問題は単元ごとに分かれているので、単元横断の練習は過去問で補ってください。

直前期の使い方

試験の1週間前からは、新しい問題を解くより、間違えた問題の解き直しに時間を使ってください。各問題の「よくある間違い」の項目を読んで、自分が同じ間違いをしていないかを確かめると、本番での失点が減ります。計算ミスの型については、計算ミスを減らす方法にまとめてあります。

前日は、基礎の問題を各単元1〜2問ずつ解いて、手の動きを確かめる程度にとどめます。新しい知識を入れようとせず、公式の確認と睡眠を優先してください。

「誘導に乗る」練習を単元ページでする

共通テストの大問は、前の小問の答えを次の小問で使う構造です。この構造に慣れるには、このサイトの応用(★★★)の問題で「(1)(2)(3)」と分かれているものを、(1) の答えを (2) でどう使うかを意識して解くのが近道です。たとえば、2次関数の「軸が動く最小値 を求め、その最大値を求める」型は、(1) で場合分けして を求め、(2) で のグラフを描く、という2段構成で、共通テストの小問の分け方そのものです。

もう1つ、誘導に乗るために効くのが「解説の①②③を先に読まず、番号だけ見て自分で埋める」練習です。解説の段階分け(①平方完成する、②軸の位置で分ける、③各場合の最小値を求める)だけを見て、中身を自分で書いてから解説と照らすと、「次に何をすべきか」を自分で決める力がつきます。この力が、共通テストで初見の誘導を読み解く力になります。

計算の速さについては、計算ミスを減らす方法の「1行1操作」と検算の技術が、速さと正確さの両方に効きます。共通テストでは検算の時間が取れないことが多いので、「解きながら単位や桁で確かめる」習慣を、練習のときから身につけてください。